解説 農業

 農業について解説します。

 メソポタミア北部においてはなんとか降雨を利用した天水農業が可能だったようですが、乾燥している南部においては不可能で、乾燥と塩害に強いナツメヤシが主要な作物でした。

 ただし、このナツメヤシが生育に時間がかかるという以外かなり優秀で、果実を食べる以外にも樹皮や葉を利用した工業品なども作られており、多数の文献から重要視されていたと推察されます。

 ただしナツメヤシだけでは生きていくのは難しいので、やはり農作物、それも穀物が必須です。

 そこで登場するのが大麦と灌漑農業です。

 水を溜めたり、水路などを使って水を分配させ、塩分に強い大麦を栽培します。水が十分に確保できれば、肥沃な土地であるメソポタミア地域は農業に向いていました。

 比較的同時期に発生したエジプト文明が洪水を利用して農業をおこなっていましたが、メソポタミア地域では洪水がかなり激しく、利用しつつ、畏れつつ、制御していかなければならなかったのです。

 そして灌漑農業が発展すれば他の野菜なども栽培し、巨大な農耕国家として発展していくのでした。

 しかしながらそれらは塩害をよりいっそう加速させ、古代メソポタミア国家の滅亡の一因になり、現在にまで影響を及ぼすことになってしまいます。

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