第17話

 そうこうしているうちに夜は更け、疲れてしまった僕は早めに寝かせてもらう事になった。


 フカフカで、いい匂いのするベット。


 普段、お姉さんが使っているベットだそうだ。


 僕はソファで寝るので大丈夫ですと何度も断ったけれど、お姉さんは子供が遠慮するものじゃないと聞いてくれなかった。


 しばらく押し問答が続き、お姉さんの「というか一緒に寝ればいいのでは?」という言葉でこの遠慮の応酬に決着がついた。


 僕は「それは無理です」と即座に断り、ささっとお姉さんのベットに潜り込んだ。


 お姉さんは悲しそうにソファの方に消えていった。


 少し悪い事をしたかなとも思ったけれど、仕方がなかった。


 お姉さんと一緒に寝たりなんかしたら、ドキドキして寝付けなさそうだ。


 ただでさえ、布団からいい匂いがして変な気持ちになってしまっているのに……




 妙に冴えてしまった目を擦りながら、一日を振り返る。


 今日だけで、本当に色々な事があった。 




 お姉さんと出会った事。


 お姉さんに引き取られた事。


 お姉さんが【家族】になりたいと言ってくれた事。




 良いような悪いような、そんな衝撃的な出来事が連続して、疲れてしまった。


 どうしてこんなに濃厚な一日になってしまったのだろう。


 原因を振り返ると、嫌なことを思い出した。

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