第22話 レーブユニオンコラボpvp③

3...2...1...start


さて、最後の試合だ。優勝するためには最低でも1キル3位もしくは2位にならないといけない。折角やるんだから、狙うのは優勝だ。


「さて、ステージは最初と同じく村ですね。パックの中身は...え、なにこれ?」


入っていたのは匠の矢×3、弓、食料×20、匠の芸術(爆弾)、身代わり人形、これだけだった。


「矢が3本だけ!? これでどうやって戦えばいいんですかね...芸術ってそういう意味ですか...芸術は爆発だ! ってやつですよね」


身代わり人形は一度だけ自分が死んだ時復活できるアイテムだ。これと爆弾を使って自爆しろ...ってコト!?


「とりあえず矢を撃ってみましょうか。丁度そこで誰かに狙いを定めてるタイヨウさんを狙いましょうか」


今回もスタート場所は南側、一試合目と同様に近くの家の屋上に登って撃つ。


「よーく狙ってぇ...はいどーん!」


ドーーン!!


山内タイヨウは月谷レボンに爆殺された


「1発で倒せたの!? 強すぎでは...?」


だから3本しか矢がなかったのか。これが何本もあったらバランス崩壊するもんな。


「強いですが、あと2本しかないので慎重に使わないといけませんね。この2本で倒しきりたい...変な爆弾なんかに頼りたくない...」


ともかくこれで最下位だけは回避できた。次はアキタを倒しておきたいな。放置すると厄介だ。


「ペギさんは...ここから見て反対の方角にいますね。となるとペギさんから見て死角になる位置に恐らくアキタがいるはずです。これまでの試合を見ていても、相手の意表を突いて攻撃することばかりしていましたし」

 

となると左か右の家の裏にいるはずだ。

...見つけたぁ!


「右の家の裏にいますね! 呑気に矢を構えてるので、このまま打ちたいと思います。よ~く狙ってぇぇぇぇぇ...ズドン!」


ドーーン!!


山犬アキタは月谷レボンに爆殺された


「爽快~~!!! やっぱり一撃で倒せるというのは気持ちいいですね! でも矢が残り1本しかないので慎重に使わないといけませんね」


これで2キル...5ポイント以上確定...あれ?

いや、取り敢えずこの試合が終わるまで集中だ。

もう勝ったなんて思っていたらペギさんには勝てない。ようやくレーブユニオン全員でのコラボができたんだ。油断したつまらないプレーなんて許されない。


: 中身爆発物かよwww

: 矢たったの3本wwww

: 匠...? 妙だな... 

: こ れ は ひ ど い

: 来るのか?(困惑)

: 匠「よ ん だ?」

: きたーー!!

: 匠「呼んだ?」

: 匠「「「呼んだ?」」」

: なんやこれ(困惑)

: 匠「呼んだ?」

: 匠の芸術www

: 芸術「匠やで」

: リフォーム「芸術やで」

: リフォーム「芸術やで」

: 被ってて草

: 芸術は爆発だ!

: 身代わり人形で自爆できるね!

: 爆発と聞いて

: 同接増えたな...

: 2000やね

: それほど爆発が人気ってことよ

: 爆 発 需 要

: あ、タイヨウ...

: デデーーン!

: 確一武器かよ...

: 矢の本数少ないし相手に当てないと倒せないから弱い?

: ps次第感が凄い

: ペギが持ってたらヤバかったな...

: アキタ居場所読まれてるしwww

: マジでいて草

: あ、アキタ...

: デ...ざまぁみろ

: あいつ配信で発狂してて草

: しゃーない

: これは爽快

: そうかいそうかい

: なんか寒いぞ...

: これで優勝確定かな?

: 優勝おめ!


さて、ペギさんを狙うか...って、あれ? ペギさんどこ行った?


: 右から来てるぞ!


急いで右側を見る。そこにはまるで獲物を見つけた猛獣のように向かってくるペギの姿があった。


「ま、まずいですね...これ以上近寄られたら矢を当てる余裕がなくなりそうです。決めるなら...今!」


これを外せば負ける。その事実が僕の腕を微かに震えさせる。


「それじゃあ! 撃ちます! 狙って狙ってぇぇぇぇ...ドカーーン!」


撃った矢はペギに...またもや当たらず右に逸れ、爆風がペギにダメージを与えるだけに終わる。


「外したぁぁぁぁ!!!! 一旦逃げますぅぅぅ!!!」


急いで屋上から逃げ出す。後ろから矢が何本も飛んでくるが、一本も当たらな...


「痛! 当たった!」


当たった...しかしペギが矢を撃つために時間を使ってくれたおかげで左の家に逃げ込むことができた。


「もうこうなったら、この家で決着をつけます! なんかこのよく分かんない爆弾でペギさんを吹き飛ばしてやりますよ!」


恐らくペギさんは僕がもう矢が使えないことに気づいていないはずだ。ならば家の後ろ側から回り込んでくるに違いない。

僕がするべきことは扉の前に立って圧をかけつつ、ペギさんが下に降りてくるタイミング丁度に爆弾を置くことだ。


「一回死んでも身代わり人形があるので問題ありません。ペギさんが来るまでここで待ちます!」


...上から物音! ようやく来たか!


「あと少し...あと少し...来ました!」


剣を持ったペギが上から降りてきて、僕に斬りかかってくる。


「爆弾置きます! 爆発しろぉぉぉ!!!」


シューーー


これすぐには爆発しない仕組みなのかよ!

武器はもうない。殴ってこの場に留めておくしか方法はない!


「逃がさないぞぉぉぉ!!!」


ペギは急いで逃げようとするがそんなことは許さない。殴っているせいで上手く操作ができないようだ。


「痛い! 僕を倒す方針で来るみたいですね!...でも、もうそろそろ!」


ドカーーーン!!!


南羽ペギは芸術となった


月谷レボンwin!!


「よっしゃぁぁぁぁぁ!!!! 優勝だぁぁぁぁ!!!」


: ペギに当てろぉぉぉ!!

: あ、外した

: ...負けたな風呂行ってくる

: 逃げるが勝ち!

: にーげるんだよー

: 逃げてどうするんや...

: ここで矢を撃つのは悪手では...?

: レボンの持ってる矢の本数分からないから最善

: これは爆弾の出番か?

: 匠の予感がするぞ

: これはまさか...

: 匠「呼んだ?」

: 匠「呼んだ?」

: 爆弾「呼んだ?」

: なんかこの流れアキタ

: あと少し、あと少し...

: きた!!

: すぐには爆発しないのか

: 負けたな風呂食ってくる

: いや、逃げるのを妨害すれば勝機はある!

: 逃がすな!!

: これはいけるのでは?

: ドカーーーン!!

: ドカーーーン!!

: ドカーーーン!!

: 芸術だなぁ(遠い目)

: 優勝おめでとーー!!!

: まーた爆発してるよ...

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