或る好事家の脳内

MutagenicityReactor

マニアックあれこれ

マニアックとは度を越した愛、躁病を指す言葉である。ギアをハイに入れて、口角泡を飛ばしつつ狂おしいほどの愛を語る、いわば変質者、もとい偏執者である。過ぎたるは及ばざるが如し、という垢の染み込んで風化した教室の隅の印刷物のような文言が存在するが、及ぶか及ばぬかは本人には至極下らない道端の石ころのようなものであろう。拘り、拘ることへの拘り。愛してやまない拘りの山岳地帯は象牙で出来たエベレストだと例えたい。誰にとって価値がなくとも、自分にあればそれで良い。横槍が飛んでこようがステルス、ジャマーを駆使して脳内から完膚なきまでに消去する。楽しい。何故楽しいか。茶室のにじり口は狭い。狭きにじり口をにじにじ通って、侘び寂びのグリーンティワンダーランドが広がっていたら感涙に咽ぶだろう。そんな奥の細き誰も知らぬ小道を往く。裏通りこそ旅の醍醐味である。大仰が過ぎたが、本人にとって偏愛の対象ほどの一家一大事は見つからない。どうか皆皆様に置かれましては、狂おしいほどにマニアであれ。

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