植物鑑定のゴミスキルで異世界無双
カフェラテ
1 復讐譚の始まり
1 学校での日常
僕の名前は元橋伸城。地元進学校の高校2年生。部活に入らず、授業が終われば直ぐに帰宅する、特に特徴もない人間と思う。身長は170センチぐらいとこれもまた日本人の平均的な体格の持ち主だ。痩せすぎず、太り過ぎず。
将来は理系大学に進み海外に住みたいと思っている。顔立ちは僕的には整っている方だと思っているが、女の子に告白されたこともなく何を血迷ったか、好きになった4人の女の子たちにそれぞれ告白したことがあるが、承諾をされることはなかった。
惨め結果だったかな・・・
はっきりと言って、とても悲しい日々を送っている。いつか見返したいと心の底から思っている。逃した魚はデカかったと。けども何か僕からすることはない・・・
今日も普段通り学校へ登校し授業を受け、昼休みをどうするかを1人で教室で考えていた。人とコミュニケーションを取るのが苦手な僕には、こんな感じで憂鬱に一人で時間を過ごしている。クラスの中にいるのも正直苦痛だったりする。
周りのクラスメイトは、夏休みに何をするかを話し合っていた。1学期の期末試験が終わり、これからの予定にみんなは興奮気味だ。夏祭りとか花火大会とか海とか。まぁ僕には関係のない話だったりするけど。
なんだかな~
周囲を見渡しているとクラスメイトたちは、思い思いの人たちとグループを作り談笑をしている。1つのグループを見るとアイドル好き奴らが集まっていた。最近はアイドルはだんだんと下火になってしているようにも思うが、コアなファンはいつまでもいるようだ。こんなことを言うとあいつらに殺されるな・・・
他のグループは春日翼を中心としたイケメングループだ。春日翼は茶髪でピアス、抜群のルックスで多くの女の子を魅了している。同性からも公平さと親しみやすで信頼を集めており、リーダーとして長をはることが多い。身長は180センチぐらいで、アメフト部に入っている細マッチョだ。成績も非常に高く学年でもトップクラスに入る。才色兼備、頭脳明晰、文武両道を地で行く人間だ。天は二物を与えず、というが全く嘘だな、とはこのような男を見ていて思う。学校中の憧れの的であり他の学校からも女子生徒たちが学園祭の際は、春日を一目見たいと県内中から集まるほどだ。そんな奴がクラスにいると僕のようなモブは霞んで見える。ちなみに性格は正義感が強くとてもいい奴だったりする。爆死しろ・・・
また春日といつも連れたっているのが異彩を放つ存在の菅原光輝だ。不良といえば前時代的な表現になるかもしれないが、風貌は坊主で凶悪な面をしている。常に戦闘モードになっているような奴だ。こいつは190センチ体重100キロと抜群の体格と頭のキレで柔道部で日本代表としてもユースの世界大会に出場している、将来のオリンピック選手だ。すでに日本にある有数の大学、企業の柔道部、また世界からもスカウトも来ているらしい。しかし体格的な素養と頭脳のキレとは裏腹に性格はクソのような奴だ。いつか誰かに後ろから刺されるんじゃないかと思う(というか希望)が、表立ってこいつと事を構えようとする人間は、おそらく地球上には存在しないんじゃないだろうか。
「おい!もとキチ。ジュース買ってきてくれよ。」
こいつはよく僕にモノを買うように命令してくる。僕としては最大限の不機嫌さでその命令に反抗するのだが・・・
「おい。こっち向けよ。た、の、む、よ。」
と超高圧の要求を受けて僕はおずおずと要求をひきつった笑顔で受けて、トボトボと教室の外に歩いて行く。こんな風な仕打ちを受けているのも、この学校に入ってからだ。本当に毎日が憂鬱なのがこいつが理由だったりする。
けども・・・、実は一番の憂鬱な理由が・・・
「大丈夫?」
僕に心配そうに声をかけてきたのはクラスの女神と呼ばれる三原美幸だ。幼稚園からの幼馴染で、なぜか小中高と同じ学校に通っている。小学校低学年時代は一緒に遊ぶ機会も多かったが、だんだんと疎遠になった。腐れ縁のような感じだが、なぜか今でもずっと一緒の学校になっている。実は、僕の初恋の人だったりするのだが、そんな彼女から、僕がクラスでぞんざいな扱いを受けだしてから、心配をして声をかけてくれる。この情けなさが一番の憂鬱な原因だったりする。
三原さんは剣道部に在籍して165センチと女子では高身長でスラっと伸びた腕や脚が白く細い。抜群のプロポーションと柔らかい表情と背中に伸びる艶やかな黒いロングストレートの髪の毛で、この学校に留まらずこの地域で、1番の美人だろうと僕は思っている。何でも噂では先日、道を歩いている時にモデルにスカウトされたとか。
「あ・・・ありがと。大丈夫」
「そ、そうなの。わかったわ。何かあったら、教えてほしいかな」
「大丈夫だから。また」
僕は精一杯の男としてのプライドを前面に出して、ぶっきら棒に答えた。心配そうな目をした彼女の視線が針のように僕の心を刺すのだが、せめてもの抵抗で廊下の角を曲がるまでは胸を張って歩くが、角を曲がってからは「はぁ~」と溜息をついてトボトボと1人、食堂にある自販機に向かっていった。
この学校での僕の立ち位置は本当にひどい。何度学校を辞めようと思ったかしれないが、朝から晩まで働き必死の思いで僕を支えてくれている両親の事を思うと、自分のことで心配はさせたくないとの思いが強く、誰かのパシリなっていることなんて絶対に相談したくなかった。
「はい、これでいい?」
「は?お前、覚えてないのか?俺が月曜日は、コーヒーからスタートする、と何度言えば分かるんだ。ソーダは、他の曜日だ。もう一回買ってこい。殴るぞ!!」
「わ、わかったよ。ちょっと待っていて」
「待たねーよ!!走ってこい!ダッシュだ!!」
そんな感じで僕の地獄の日々は過ぎていく。死んでしまいたいと思ったりするが、親のことを思うと、絶対それだけは選べない。何とかしなければと思いながらも、全く打開策がない。時間が過ぎれば過ぎるほど事態は事態は悪化していった。
とにかく意識を体から切り離す。ここにいるのは体のみだ。僕は決していじめられていない。
こんなふうに自分の精神を守らないと、僕は生きていけない。
こんな生活が2年続いている。
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