第4話そういう話
会議の場所に向かう為の馬車のさなか、俺はどうやって穏便に事を運ぶか考えていた。
……結論を言うと、余りにも小さいこと過ぎてどうにも対処のしょうがない……と言うことだけだった。
それはさておき、不安そうにしている王に対して
「王よ、何をそんなに怖がっていらっしゃるのですか?」
そう私は尋ねた。
「……怖くないのか?……僕はとても……怖い……だってお父様は何者かに殺されたって騎士団のおねーちゃんたちが言ってたし!……僕もどうせ殺されちゃうんだ……だって……」
『
私は馬車内部の音を止める。そうして静かになった馬車の中、私はたった一言こう告げる
「誰であろうと私に勝つことなどで気はしないのですよ……王よ」
それは紛れもない事実であり絶対的な断りである。
かつて地球にて数多の
一世界の中のお山の大将如きが私に勝てると思うなよ。と
その言葉に少しだけ安心したのか、ウトウトし始める王をゆっくりと寝かしつけると私は改めて周囲に囲んでいる暗殺者立ちをどうするか考える。
どうやらとても素晴らしいスキルを持ち合わせて居るようで、馬車の御者は気づいていないようだ
ならば逆に好都合。私はそう考えると指をパチン……と鳴らす
途端、馬車の中に辺りに潜んでいた暗殺者達が一同に集められる。
勿論、物理的にであるが。
突然狭い空間に4人ほどの人間が所狭しと押し込まれたのだ……それはもう日本で見た地獄絵図のひとつにして地獄、通勤ラッシュの
……あれは地獄だ。
実際に地獄に行ったことがあるので分かるのだが、満員電車は紛れもない圧縮された簡略的な地獄だ。
……そんな事をふと、考えながら暗殺者達の脳内をハッキングする。
……ふむふむ、今回の依頼主は前の王様の側近で……ふむ……暗殺する理由は実権を握る為と。
ん〜汚い。流石にこんな事実をまじまじと子供に見せるのは如何なものか……
私はとりあえずその場にいた暗殺者たちのありとあらゆる
さて、馬車の旅ももうすぐ終わりのようだ。
……と、着いたようだ
私と王様は足並みを揃えながら馬車を降りる。
ここはそれぞれの国が干渉できない場所、即ち───『
近くの人の思考を読んだところ、ここでは武力沙汰は出来ないようになっているらしい。
まぁ確かに魔法の類に対する絶対的なる防御と阻害の類のスキルが雁字搦めに編み込まれている。
──────最も私はその程度の阻害、指を動かすまでもなく破壊できるのだが。
その中の中央にある広間に向かう。そこが今回の会議の場所らしい。
重く荘厳な……市民の税金やらなんやらで立てた虚栄ばかりの扉を開けて私達は中に入る。
「遅くなって申し訳ない。少しトラブルがあってしまって……」
そう言って王、『アルメリア・ルファ・メルトグラム』が謝った。
少しばかりの静寂
「少しばかり遅くは無いですかな?これだから神に愛されていない国は………おっと失礼」
そう言って返答をよこしたのは、ルルナル法皇国、法皇『ゴドラン・パノール六世』。
「その通りだ!余りにも遅すぎて……ここが戦場ならば貴様の首を跳ね飛ばしているところだったぞ!」
そう言ったのはガルシア獣王国、
獅子の血を引く勇猛なる戦闘狂。
「皆様方、落ち着きなされ。ここは血の気を抑えるべき場。穏便に済ませるべきですぞ」
ハモン武道国の君主『ヤツクサ・ゲンイチ』
……義を重んじるまさに武将とでも言うべき人物
「どうでもいいが、さっさとしろ。会議の邪魔をするならば出ていけ。時間の無駄だ」
プロシオン帝国、
侵略王にして、正真正銘のカス野郎。力で民意をねじ伏せる悪性の腫瘍。
さて、正直既に帰りたい。
そう思う私を尻目に会議が無事?スタートした
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