宇宙最強ヴィラン、平穏を求めて異世界に行く

皆月菜月

第1話疲れた男

世界を平和にするにはどうすればいいか?

私はそんな事をふと考える。

──────分かりきったことだ。

まぁそう言うと君は引いてしまうかもしれない。しかしこれは事実なのだ。


彼、オスカー・ヴィルヘルム・オーフェンはアメリカのとある田舎町で生まれた。

彼はすくすくと両親に愛されて育った。

実に幸せな毎日。

……しかしそれは直ぐに壊れることとなる。

オスカーが5歳の時、突然彼に超能力が目覚めることとなる。それは同時に彼の絶望の物語の始まりでもあった。


きっかけはプールで溺れそうになった時の事だ。彼は死にたくない、と必死にもがいた。その結果……彼の周囲のプール周りの水分全てが一瞬で蒸発したのだ。

因みにであるが、人体はその60パーセント以上が水分でできているとされている。

……つまり、

……彼はその時全てを理解した。

自らに内包されていた異常能力イレギュラーのことを。

彼は警官が駆けつける前に忽然と姿を隠した。

……その後、彼は世界各地を成長しながら旅して行った。

その中で彼は様々な能力者にであった。

ある時は死霊術師ネクロマンサーに。

またある時は優れた魔術師に。

そうして旅をして世界のあちこちで起きている紛争、戦争、価値観の違いから来るいざこざを見てきた。

そうした中で、彼は何故世界から争いが無くならないのかを考え始めた。

彼は既に様々なことを経験しすぎた。そのせいか、少しだけ過激な考えに傾きすぎていた。

……そうして彼が20歳になった時。彼はニューヨークの街のど真ん中に姿を見せた。

そして、彼は人類を滅ぼすことにした。

……彼には人という種族が存在してならない物だと言う考えがあった。

その結果、彼は人類の敵として世界のヒーローに狙われることとなった。


……ある時は他の星からきた超人と。ある時は優れた知能を持つ超能力者たちと。

またある時は超越的な剣術の達人と。

……やがて彼は宇宙のありとあらゆる存在に襲われることになってしまった。

無論、彼はその全てを返り討ちにしていった。

……その末に彼は疲れ果てた。

考えてみても欲しい。四六時中ずっと周りで騒音を鳴らされ続けては流石に疲れるだろう?


……そんなある日、彼は横断歩道を横切ろうとした時前から来るトラックとぶつかった。

普段なら気にもしないのだが、そのトラックにぶつかった瞬間まるで別次元の扉が開かれたようなそんな感覚に陥った。

……普通に抵抗すれば無力化できたのだろうが、彼はある意味興味が沸いた。


そうして彼、オスカーは異世界へと転移することとなった。



因みに、異世界に行った時に最初に出会った女神は彼の姿を見るなり土下座して命乞いを始めたのだが、それはまぁ気にすることではないだろう。




こうして、オスカーは異世界……誰も自分を知らない世界で平和に暮らそうと……したのだが……


彼は闘争に巻き込まれる運命から逃げけれるのか?

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