第31話 ランクと魔物
冒険者にはランクが存在している。その段階は全部で十。
下から
ストーン 石 (真力0~5)
アイアン 鉄 (真力5~10)
ブロンズ 銅 (真力10~15)
スチール 鋼 (真力15~20)
シルバー 銀 (真力20~30)
ゴールド 金 (真力30~40)
プラチナ 白金 (真力40以上)
ミスリル 聖銀
オリハルコン 神金
アダマンタイト 神鋼
こんな感じで保有する真力によって大まかにランクが分けられているそうだ。
そして張り出される依頼の目安以外にも魔物もこれと同じようにランク付けされており、討伐依頼なら自分のランク以下の魔物を狙うのが冒険者の常識らしい。
例を挙げればゴブリンは保有する真力は三のストーン級の魔物、つまりは最も弱い等級の魔物だ。
当然この討伐依頼はストーン級の依頼となり大抵はストーン級の冒険者が受ける。そして報酬も例外がない限りは一番低くなる。
ただそんな弱いゴブリンでも亜種になればアイアンやブロンズ級となる奴も存在しているので一概に言えなところもあるのだとか。
「基本的にはギルドが目安としている真力に応じてランクを上げるといいと思います。特殊な真言やよほど戦闘センスがあるのなら真力が5でもブロンズになるなどできない訳ではないですけど、大半の人は痛い目を見ることになりますから」
そんなものは持ち合わせていないので地道にこの基準に従うとしよう。
ストーン級のゴブリンを退治するのはそういった意味でも俺に最適だろう。
「ツカサさんもこの登録が済めばストーン級となります。ランクを上げたい場合は依頼をこなすなどしてギルドに実力が認められた後に昇格試験を受けて合格する、という手続きが必要になるので覚えておいてくださいね」
「昇格試験ってのはどんなものがあるんですか?」
「指定された魔物を討伐することが多いですね。シルバーになるのにシルバー級の魔物を倒せないのは困りますし。そういう意味ではアイアン級のゴブリンシャーマンを単独撃破したと聞いていますし、自信があるのなら早めにアイアンになる昇級試験を受けられますよ」
不意打ちでどうにか倒せたゴブリンシャーマンですらアイアン級、下から二番目だ。
しかも倒せたと言っても単純な腕力では負けていた。
今は『火炎』の真言のおかげで多少強化されているとは言え、アイアン級があのレベルがゴロゴロしていると考えると楽観はできない。
「まずはストーン級で地道に経験を積むことにします」
「あら、慎重なんですね。でもそういう冒険者の方が長生きできますから、その方が良いと思いますよ」
それは迂闊な奴は早死にすると言っていないだろうか。
まあ魔物なんてある種の化物を相手にする職業なのだからそういうものだとは思っていたが。
「それでは保有している真言の数を確認するのでこの水晶に触れてください」
そう言って差し出されたのは最初にゴラム達に触らされた物とよく似ている丸い水晶玉だった。
触れると前の時と違って幾つかの光点が浮かび上がり、よく見ると光の強さが違うのが分かる。
(光の数は全部で七つの内の一つは今にも消えそうなくらい小さくて、一つだけ光がそれなりに強いのがあるな)
これで真言の数を把握する言葉から推察するに消えそうなのは第零階梯の真言を示していて、光が強いのが第三階梯の真言だろう。
「見てわかるかもしれませんが、ギルドにおいてある鑑定石では真言の数だけでなく階梯を調べることができます。あまり数がない貴重な品なんですよ」
そう言いながらメモを取っていく女性秘書。
これで俺の真言の数と階梯が丸裸にされてしまったようだが元から隠してないのでそんなに痛くもない。
「真力が十あるなら蛙沼での活動は問題ないですね。もしそれでも不安なら冒険者ギルドでは有用な真言を持っている魔物や真言の使い方なども教えていますので、もしよかったらそういったものを利用してみてください」
「それは有難いですね」
聞けば大きなギルドだと資料室みたいなのがあって、そこで色々と調べられるらしいのでこの後にでも時間があれば利用してみよう。
その後も冒険者として活動するのに必要な知識について色々と教えてもらいながら手続きは完了して、俺は晴れて
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます