2024年4月26日

 町の排水路に横たわる巨人の骸骨。全てを憎悪する女子高生は母親とともに排水路沿いを歩く。排水路の隣で原っぱが昼下がりの日差しを受けて輝き、子どもたちがボールや凧で遊んでいる。排水路の反対側は町の裏側のようなコンクリートの道だ。女子高生の母親は原っぱを通り抜けて橋を渡りコンクリートの道を進む。やがて店の並ぶ普通の街路に出る。骸骨は近くで見ると捨てられた鎧で防具の奥には赤茶けたもう一つの鎧が見えている。女子高生は骸骨は自分だと悟り排水路に横たわる。


 その排水路沿いにある小さな楽器屋は、中に入ると外国人がピアノやトランペットを吹いているが全て嘘である。入り口わきの階段をあがる。途中で行く手を阻むベビーベッドを避けて扉を開くとお遊戯会の準備中だ。私ともう一人の女の子―えらく癇癪持ちだ―は清掃をしないといけないが、癇癪持ちの同僚は家具をめちゃくちゃに動かしカーテンの向こうに隠れる。ラグビー部の男たちはそんな彼女を馬鹿にしながら可愛がる。女の先輩は私にどうやってあの癇癪持ちを働かせればいいのか尋ねてくる。私は「放っておけば大人しくなりますよ」と答える。

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