2024年3月29日

その1

 布でできた塔の中にいる。塔と言ってもただ高いばかりで通路は人間一人が通るのにも苦労しそうなほど狭苦しい。延々と螺旋を描く階段も布でできている。ずっと塔の上から下を行き来できていたはずなのに、今は布が崩れることが不安で動けない。外から誰かがやってくる気配がする。私にはそれが誰なのか分かる。彼らは町の支配者だ。


その2

 女盗賊は獲物を求めて宝飾店に侵入する。しかし、目当てのダイヤも他の目ぼしい品も既に盗まれている。ガラスケースの一つの中に紙きれがありそこには先んじて盗みに入った別の女盗賊のメッセージが書かれている。

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