2019年6月22日

その1

 車で団体旅行をしている。私の車には私とバイト先の元生徒、大学の後輩の三人が乗り合わせている。私はずっと眠っていたので車が止まったときどこにいるのか分からなかった。外が暗いのできっと早朝だと思った。私たちの車は他の車からはぐれてしまったらしい。私たちは休憩がてら土産屋に入る。そこには和菓子や伝統工芸品が並んでいる。店の入り口から見て右奥には熊の人形が陳列している。私が小さいころ集めていた人形だ。私はそれを一つ買う。ずっと運転していた元生徒が疲弊した顔で近付いてくる。ルートの確認をしたいという。「長野から東京?東京行ってから長野?」と元生徒は尋ねる。後輩が「東京が最後」と答える。元生徒は「遠いなあ」とつぶやく。私は乗り気ではなかったが、運転を代わろうかと提案する。「次、俺やるわ」と後輩が言う。私は空腹を感じてパンを二つ手に取る。どちらも灰色と黒の格子柄をしていた。私が朝食を物色している間、元生徒は私が寝言で「ごはん…」と呟いていて面白かったと話す。私は誰かにごはんを食べさせようとする夢を見ていたのを思い出す。レジに行くと年老いた店主は「うちは西洋のやり方をとっているから」と言い出す。「うちはお客に二枚目の袋を渡すときはこうするんです」と言って店主は私の長財布の蓋と本体の間にビニール袋の半分を挟み込み、余ったもう半分を折って財布の上半分を包む。「うちはこう見えて西洋のやり方をとっているから」もう一度言って店主は私に財布を手渡す。


その2

 電車で団体旅行をしている。私一人だけが違う車両に乗っている。私は眠くて何をするのも億劫な気分だった。乗り換える駅に着いても私は動こうとしなかった。別車両にいたみんなが降りて友人が点呼をする声を聞いていると電車は出てしまった。

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