部活カースト最底辺には人権がないと思いきや幼馴染に告られたんだが?
たんぐすてん。
第1話 卓球部入らなければ…
霞戸高校2年3組の西陽が差し込む騒がしいその教室の端で、俺は荷物を片付けていた。
これから卓球部だ、疲れたな。
そんな俺の横では「ねぇ建くん〜」「建くん聞いて!」などとクラスの女子がある1点に集まり騒いでいる。
その中心にいるのは國分建。
彼は2年生ながらにこの学校のサッカー部のキャプテンをしており、顔も整っており女子からの人気がすごい。
國分とは中学の時は他校の文化祭に2人で行くくらいには仲が良かったが、高校に入って1年生別のクラスになってからあまり関わる機会がなくなった。
サッカー部入りやがって。中学の頃は2人で山岳部入ってたのにな。
國分は身長が高く180cm前半くらいある。
女子に騒がれていてもまあ俺には関係がないことだが…
「どーん!」俺は立つと急にタックルされた。
こんなことをするのは1人しかいない。由浅千尋である。
案の定顔を上げると憎たらしい彼女の顔が俺の目に映った。
千尋は一応俺と幼馴染で家が隣である。
小さい頃はよく遊んでいたが、最近はあまり遊ばなくなっていた。
彼女はクラスの中でもモテる方らしいが、俺には魅力が伝わらない。俺が言えたことじゃないけどね。(ニコッ)
昔は2人で風呂入ってたらしいがそんな記憶もうないな、昔はよく鬼ごっことかしたな。前まで俺の方が背低かったんだよな。
千尋はその後俺に頑張ってねとだけ言い残して去っていった。
昔までわんぱく娘全開って感じだったのに今は色気が増したというか、大人っぽくなったな。
あと香水らしい匂いがした。やっぱモテんのかな。
周りの人たちにどんどん追い抜かされていってるな。ちなみに千尋はテニス部に入ってるみたいだ、やっぱり部活=カーストなんだな。
ーー
卓球場に着いた。卓球場は地下にありクラスから近い、歩いて2分くらいで着く。俺は卓球が上手いわけでも下手なわけでもないんだが、卓球は楽しいとは思っている。うん。でもね…うん。
一旦忘れてもう練習しよう。
俺は基礎練を始める基礎練は楽でフォアとバック、ツッツキなどとをひたすらやるだけだ。毎日同じ作業の繰り返しだが、面白い。いや、うん。
その後も俺は卓球場で練習したりした。
ーー
練習が終わり、「疲れたなぁ」独り言と吐くと、「そうだな」と隣にいた木村が返してきた。木村は唯一友達と言ってはいいほど中のいい人物だ。
同じく高1の時に卓球部に入り、いつも共に練習している。
木村は身長は同じくらいで約165位でとにかく食うのが好きだ。
高1では1年2組で同じクラスだったが、高2で違うクラスになってしまった。木村とはよく共通のゲームをしている。
「腹減ったな」
「そうだな」
「帰りファミマ寄ろうぜ」
「いいよ」
「何食う?」
「俺ファミチキ」
「俺はじゃがりこ買お」
などと他愛もない会話をしつつ卓球場を後にする。
学校から最寄り駅までの間にコンビニがあり、部活終わりや放課後などにみんなそのコンビニでお菓子や飯を買う。
「麻生、お前卓球部入ってどう思う?」と急に木村が聞いてくる。
「まあいい部活だし楽しいよな。うん。」「そうだな」「「ハハハ」」
「「はぁ↓」」そんなため息が出ながらも家に帰る。
ーー
家に着くと母さんが「ゆうすけーおかえりー」と夕飯を作りながら言ってくる。
カレーかシチューかわからないが野菜を煮詰めている匂いがしている。どっちも好きだからどちらでもいいな。
俺は荷物を置き自分の部屋に直行する。マットに寝込むと、間を置き、なんで俺卓球部入ったんだろうと思い、悲しくなってくる。
卓球部なんてカースト最下位じゃねぇか!てか部活って重要だな。
だって俺がサッカー部入ってて強かったら今よりはモテてただろうな。
やっぱり國分許さん。
「はぁ↓」ため息を吐きながらスマホを取ると、通知が来ていた。千尋からだ、何かと思いLINEをチェックすると、「悠介、私とつきあってくんないかな」と書いてある・・・うん。
⁇⁇⁇⁇よくわからんな。うん。
一度スマホをマットに置く。
…ほぇーオレトツキアウ
まず一旦返事をしよう。
「どういうことだ」と打つ。そして送る。
送った側から既読がついている。「付き合ってほしいって意味。そのまんま」
困ったな「考える」と送るか。
ーー
翌日学校に着くと、靴箱に手紙が入っている。
千尋よりと、これが世にいうラブレターというものなんだろう。気持ちに整理は昨日のうちに着いたのだ。もし本当に好きだとしても、そうじゃないにしても、俺がカースト最下位から抜け出すためには付き合うことにした。文面で残すというのもこそばゆい気持ちだったので、LINEでは送れなかっただが会ったら言おうと思っている。
手紙を見ると放課後家に来てと書いてある。
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