第164話 東への進軍
もっと交渉は拗れて沢山の死者が出ると思ってたのに、ヴァルガさんは素直に俺たちに従った。
未だに信じられない、山口さんに交渉が成功してシャルパック国が俺達に降伏したと伝えた。
九鬼さん
「マジかよ、本当に?シャルパック国は十万人以上いるんだよな」
索敵スキル持ちの人
「九鬼は見てなかったか、佐藤さんの魔法は数ヶ月異世界を見てきて1番の衝撃ぐらいに凄いんだよ」
山口さん
「早く西に居る日本人へ使者を派遣して、強制的にシャルパックの首都へ来て貰いましょう」
「日本人と異世界人の奴隷も全員解放しましょう」
「急いで進軍の準備を整えてシャルパック国、草原に居る人達全てを纏めて、東へ進軍しましょう」
俺は西よりも更に北西の魔物の森にも隠れている日本人が居て、彼等も連れて来て欲しいと山口さん達に伝える。
草原から西に居る人達を全員連れて東へ移動する予定だ。
スタンピードが起こる時に彼等を守れないから連れて行くのと、食料の問題があるから全員で東へ行く。
全員を集めたら食料は足りなくなる。
今の状況でも秋になり冬になったら餓死者が出そうなぐらい足りてない。
山口さんが皆んな腹いっぱい食べられるぐらい余裕が無いと、ヴァルガさんが止めても反乱は起こるかもと言っていた。
先ずは東のネスカ国を攻める、その後に幾つかの国を滅ぼしてプロトマト国を占領する。
其処からスタンピードが始まるまでにルーガ帝国まで占領する予定だ。
プロトマト国は大陸中の物資が港に集まる拠点だし、ルーガ帝国は大陸で1番の穀倉地帯らしく食料の余裕があるみたいだ。
俺のオリハルコンでルーガ帝国に城壁を造ったら、スタンピードは防げるだろう。
ダンジョンの分裂だけ何も分かっていない。
分裂が防げないなら守っても何れは魔物の増殖に負けて、大陸は魔物に飲まれてしまう。
これだけは作戦も何もないけど、手掛かりを手当たり次第、探すしかない。
山口さん
「私も日本人を纏めたら佐藤さんと合流します」
「先に佐藤さんとマンジュウさんだけシャルパックの兵士とネスカ国へ進軍して下さい」
『分かりました、後の処理は任せますね、もし纏める人が必要でしたら、ジャガイモ村に居る五十嵐さんと言う方が村長をしていて、その人に権限を与えて纏めて貰って下さい』
山口さん
「五十嵐さんを知っているんですか!?、、、分かりました五十嵐さんに後方の日本人を任せますね」
『後は五十嵐明美さんという方は、俺の身の回りを任せたいので丁重に連れて来て下さい』
山口さん
「佐藤さんがヴァルガさんを殺さなくて良かった、予想よりスムーズに動けてるのはヴァルガさんの協力があってこそです」
『あの人は1番協力してくれてます』
ヴァルガさんは王だったのに滅茶苦茶協力してくれてる。
ラグナロクか、、、他にも何か知ってるのかな。
マンジュウさん
「数ヶ月経って解放されたら、何が起こってるのか理解が追い付いて無いぐらい変化してます」
『マンジュウさん俺も全部理解出来てないよ、分かっているのは、これから沢山の人を殺さないといけない事だけ』
『ネスカ国に進軍するぞ付いて来い!』
ヴァルガさんが他の人達に通訳して、歓声が上がる。
2万人の騎兵がネスカ国へ進軍を開始した。
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