第127話 ペナルティと覚悟

マンジュウさんとアケミさんを生き返らせる事が出来るらしいけど、ペナルティがあると目の前の少年が言っている。

俺はペナルティを大概の事は受け入れるつもりだ。

俺とセンベーさんの死が条件と言われたら、ごめん流石に躊躇する。情けないが自分の命の方が大事だ。


少年の顔を見るが多分美少年の気がするけど、何故か顔を記憶できないな。

覚えようとしても顔を覚えられない少年が、

「ペナルティなんですけど、アイスさんとセンベーさんには寧ろ嬉しいと思いますよ?」

「真田さんも受け入れると思いますが、厳しいと思います、日本へ帰れるかな?」


センベーさん

「あの、多分僕達3人は生き返らせて欲しいと、皆んな思ってるので早く教えて下さい」


少年

「此処からゲートを使って初めて異世界に転移した地点から、やり直して貰います」

「リスタートですね」


センベーさん

「それってまた初めから異世界転移をやるの?」


少年

「そうですよ、時間も初めに戻って全て初めからやり直しですよ」


それって俺は草原に1人で居る場所からリスタートなのか?

まてまてペナルティがどんな厳しいものかと思ったけど、これはマンジュウさんとアケミさん以外にもスタンピードで死んだ人達や、他にも大勢の助けられなかった人を助けられるんじゃないか!?


やり直したい!後悔してた色々な事を変えたい!


『すみません是非お願いしたいです、俺は沢山後悔してて戻れるならリスタートしたい』


真田さん

「俺もまた初めから辛い戦いで、魔王を倒すことになっても戻りたい」


少年

「いやぁ、ただリスタートするなら記憶も残ってるので良いんですが、戻る時にスキルが1つ消えるんですよね」

「真田さんは剣スキルからの派生スキルしか持って無いので、剣スキルとその派生が消える予定かな、言ってしまえば所持してるスキルが全て消えるんですよ」

「何もスキルが無い状態で、魔王を倒すのは不可能だと思いますよ?」


スキルが1つ消える?


少年

「アイスさんはいっぱいスキルを持っているので、1つ消えても大丈夫だと思います」

「センベーさんは索敵スキルが消えて、他のスキルは継承スキルなので、真田さんと同じようにスキルが何もない状態で生きないといけませんね」

「センベーさんは、アイスさんにくっ付いて居たら生きられるかなぁ?」


『真田さんの魔王討伐を俺が手伝う事は無理なんでしょうか?それか真田さんに俺のスキルを1つ渡す事は出来ませんか?』


少年

「ここは特異点なんですよ、法則を変える場所なので、真田さんとアイスさんの異世界は別の場所なんですよ」

「手伝う事も無理ですし、スキルも渡せませんね」


真田さん

「佐藤さんありがとう、俺はスキルが無くても異世界に戻るよ、3人が生き返るなら、またもう一度会えるなら、戻らない選択肢は無いんだ」


俺と真田さんの異世界は違う場所らしい。

真田さんが異世界に戻っても、俺は合流する事も出来ない。

スキルが無い状態で魔王と戦うのが、どれだけ大変か。

俺ならスキルを何も無い状態でリスタートするか?と聞かれたら、俺には無理かもしれない。


センベーさんもスキルが無い状態は厳しいだろう。

俺だけでリスタートしよう。


『センベーさんは、此処に残ってて欲しい。俺だけリスタートして、マンジュウさんとアケミさんを助けて此処に戻ってくるよ』


少年に聞いたらリスタートの時にセンベーさんの存在は消えるけど、センベーさんが此処に残るのは可能らしい。


センベーさん

「いや、スキルが無くても僕もリスタートするよ」

「何も出来ないからアイスさんに迷惑いっぱい掛けちゃうだろうけど、僕も皆んなを助けたい」

「スタンピードだって、もしかしたら無くせるかもしれないでしょ」


センベーさんも同じ考えか、リスタートしたらスタンピードも無くせるかもしれないし、転移した人間達がする、異世界人への酷い殺しも無くせるかもしれない。


俺達3人は全員が異世界に戻ってやり直しを希望した。


少年

「大変だと思いますよ?真田さんは此処に戻れないと思いますよ、アイスさんとセンベーさんも助けたい2人を助けて、此処に戻るのは無理だと思いますよ」



少年はやれやれと首を振って肩をすくめてから、転移ゲートを出してくれた。


真田さん

「また会おう、俺は此処に4人で戻ってくる」


センベーさん

「真田さん僕達も4人以上で戻ってきますね」


『はい、また必ず会いましょう、次はダンジョンボス討伐を手伝いますから待ってて下さい』

『センベーさん、俺は転移したら直ぐに東へ移動するよ、また会うからマンジュウさんと待っててね』


センベーさん

「アイスさん迷惑掛けちゃうけど待ってるよ」


『迷惑なんて無いよ、また2人に会えると思うと嬉しいよ』


日本から転移した人間全員を助けるのは無理かもしれない。

だけどなるべく多くの人を、辛い目に遭ってる人達の手助けを、俺は自分が出来る事を覚悟を持ってやるつもりだ。


深呼吸する、3人とも目があってから頷いて、転移ゲートに拳を握って入って行く。


第一部完





〜あとがき〜


ここまで読んで下さってありがとうございます。

第二部は最初に転移した場所から、やり直す話になります。

ここまで書けたのは毎日読んで下さる方が居たからです。ありがとう。

コメントとかも、ありがとうございます。

返信しようか迷ってしまって、ネタバレを言っても悪いかと思ってしまって、返信してませんでしたがコメント嬉しいです。

応援、評価、フォローもありがとうございます、モチベーションに凄くなってます。

ここまで読んで下さってありがとうございます。

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