第113話 砂漠に1人きり
センベーさんが転移ゲートから帰る時に、ハルトはカレンにキスして何もかも、ぶち壊しやがった。
本人は謝ってるけど、許されると思ってるのかよ。
ナチャチャさんも怒ってるけど、2人の事を俺とセンベーさんに隠してたのは優しさだと思ってても許せない。
いや、気付けなかった俺とセンベーさんが鈍いのが悪い。
だからこそ自分と周囲への怒りが全く無くならない。
地球に帰った2人の事を思うと、ゲートへ入る前に何故2人を止めなかったんだろう。
パパレ国へ戻る俺達4人の雰囲気は最悪だ。
ハルトだけが飄々と食事を作って美味しそうに食べてる。
一緒になんか食べられるか!
その夜に俺はハルトの分の家は作らずに、俺の家を適当に作って寝ようとした。
ナチャチャさんは何も言わなかったが流石に魔物の居る砂漠で家無しは厳しいと思い、家から出てナチャチャさんの家も適当に作って、直ぐに自分の家へ戻り引き篭もった。
部屋で寝ようとしても寝られない。
頭の中で色々と巡る思いが整理の付かない状態で続いた。
いつまで考えても明日もある、寝られないけど目を閉じて横になった。
何時間も意識はあるけど、ボーっとした感じで寝てる様な寝てない様な感じが続いてる。
ちょっと寝てたのかな。
意識はしっかりしてるか、、、
キッーンと大きい音が部屋中に鳴り響き、俺の首に当たった何かで反射スキルが発動した。
いつもならオリハルコンの家の入口は俺が部屋に入ったら消してしまうけど、今日はドアを消すのを忘れて、そのままにしていた。
部屋は暗かったけどドアを開ける音がした、何者かがドアから出て行ったみたいだ。
ボッーとしてた俺は反応が遅れて攻撃も出来なかった。
数秒?10秒は経っていないと思うが、外に出たら俺を襲った奴の姿は見当たらなかった。
暗闇の砂漠に風の音だけが響いてる、周りに生き物の気配も感じない。
急いでナチャチャさんとセシャさんの家の扉を叩く。
返事は無いがオリハルコンの扉を消して中に入る。
誰も居ない。
2人の寝袋はあったけど、中にはいなかった。
寝袋を触ったら冷たい、かなり前から居ない?あの襲って来た奴が攫ったんじゃ無いのか?
俺は敵を追うスキルが無いので逃げられると、どうしていいか分からない。
センベーさんなら索敵スキルで探せるのに。
ハルトも何処にも居ない。
襲ったのはハルトか?それか事態に気付いて追いかけて行った可能性もあるか?
3人が消えて俺は何者かに襲われた。
1度目の反射スキルで逃げたなら、俺が反射スキルを持っているのを知っている奴の仕業か?
完全に寝てたら反射スキルは発動しなかった。
意識が僅かにあったから助かった、オリハルコンの家に隠れていたのか?寝る時はいつも気を付けて居たけど、油断してた危なかった。
朝になり砂漠で1人になった俺は、どうしたら良いのか考えが纏まらずに3人が戻って来るのを期待して、
砂漠にオリハルコンで高さ200メートルぐらいの目印を作り3人の誰かが戻って来るのを待った。
次の日になっても誰も戻って来なかった。
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