第9話 異世界情報

転移した人達が作った町に入って感じたことは生活はギリギリそうだ。

1ヶ月でここまで町を作れたのは凄いけど皆んな、すれ違った人達は疲れ切っている。


失敗したなと思ったのは俺たち3人は、この1ヶ月食事に関しては好きな物を食べていたので、

3人とも小太りのままになってる。

異世界生活を1ヶ月して太ったままなんて普通あり得ない。


風呂はオリハルコンで作って水を入れて火で温めて入っていたけど、

石鹸やシャンプー等は使わないようにしていた。

あんまり小綺麗だと旅をしている説得力が無くなるよねと。


でも、ここに住んでる人達を見たら俺たち全員、肌艶も良いし汚れも少ないな、

色々と聞かれるだろうから俺はスキル欄の、

魔力ネット通販

水魔法

を鑑定で見えるように変えた。


周りで何かしら仕事をしてる人はチラチラとこちらを見てる、日本人っぽい仕草だ。

教会のような建物は集会所みたいな所かな。

門番に代わって俺たちを案内してくれてる若い男は途中で話もせずに、

集会所まで案内してくれた。


中に入ると10人以上が何か話しながら書き仕事をしてる。

意外に思ったけどデータとか集めてるのかな。


1人の背が高いダンディな髭を蓄えた50代ぐらいの男性が話しかけてきた。

「ようこそジャガイモ村へ村長に選ばれた五十嵐宗次です」


『初めまして佐藤氷です皆んなからアイスと呼ばれています』

俺は氷という名前だったが2人からはアイスさんと呼ばれるようになっていた。


センベーさん

「山崎煎餅です、センベーと呼ばれています」


マンジュウさん

「こんにちは寺田萬寿と言います、あだ名はマンジュウです」


五十嵐宗次

「佐藤さん、山崎さん、寺田さんあらためてよろしく」


五十嵐さんを含めて集会所にいる全員と、この世界に来た状況や今までどうやって生きてこれたのか話し合った。


途中に鑑定スキルを持ってる人が俺たち3人の鑑定をした。

魔力ネット通販と水魔法の2つスキル持ちは驚かれたが、

どちらもスキルを持ってる人がいるらしい。

索敵と筋力強化も所持者がいた。


魔力ネット通販は思ったよりもレアスキルじゃ無かったんだな。

でも通販スキルがあっても魔力上限で買える物が少ないそうだ。

1日に魔力が10しか回復しないから1キロの塩を買うだけで2週間かかるそうだ。


俺は話を聞いて自分も1日に魔力20しか回復しないと言った。


スキルを持ってる人は多かった。

人によっては4つも所持してるそうだが魔力が増やせないので使うタイミングが難しいらしい。


村には日本人が75人もいるそうだ。

だけど周辺の転移してきた人間はもっと多くて、1000人以上は居たかもしれないとのこと

日本村はここ以外にもいくつかあって、

あまり多くが集まると食料確保が大変なので分散して住んでるそうだ。

時々情報交換と交易をしようと取り決めて別れたみたい。


魔物は一角ウサギしか見たことが無かったけど、

ここから北の森には動物系の魔物もいるしゴブリンやオークも居るそうだ。


ゴブリンは弱いと思ってたけど話を聞くと一般男性が一対一で勝てる強さじゃない。

男性を軽々と持ち上げて投げ飛ばす程の腕力があるそうだ。

オークなんて2m50cmもあり200キロもある丸太を振り回せて、刃物が肉で中まで刺せないので魔法無しじゃ倒すのは無理らしい。


この町から東に行くと異世界人の町もあるらしい。

しかし1番驚いたのは言語が通じないという事だ。

集会所に集まって仕事をしていたのでは無く

皆んなで異世界言語を調べて学んでいたんだ。


話を聞いて異世界の冒険者ギルドに入って冒険者になるハードルの高さが滅茶苦茶上がった。

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