壊れた星座

ベリル

壊れた星座

『壊れた星座』


 空は割れて、地面は星座で埋め尽くされてしまった。


 私の家にはろうそくが灯る。私はたくさんのろうそくを売る。


 遠くの星に、誰かが見える。


 窓に顔を近づけても、暗くてよく見えない。

 

 それから私はスープを火にかける。家の周りにろうそくを灯す。ここに来る誰かを待つ。

 

 空からしずくが落ちた。


 割れた空の裂け目からしたたり落ちてくる。


 ろうそくは道を照らす。潰れた家と灰になった星座を。


 私は望遠鏡をのぞく。遠くの星はきらきらしている。


 望遠鏡からは私が無くしたものと、


 私が忘れたものが見える。


 青い青い海のにおいと、


 こうばしい小麦のにおいを想って、


 私は少し泣いた。

 

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壊れた星座 ベリル @cokkoberry

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