『ジラ! 執行ワールド』 第11夜


 海賊宇宙船『ぶっちぎり5世号』は、執行惑星『ジラ』から逃走しようとしていた。


 しかし、『パンダ大王』の『メロディ丸』が、早くも行く手を遮ったのである。


 執行惑星『ジラ』も、黙って見ているわけもない。


 『ジラ』は、海賊の首領とやましんを逃がすわけにはゆかない。


 それは、地球政府のこけんに関わるからである。


 海賊宇宙船は、親分を確保できれば、それで良いのだが、親分が連れてきたやましんを、むげにはできない。


 『パンダ大王』は、やましんを救出したら、それでよいのだが、『海賊』とのいがこざは、起こしたくない。


 『ジラ』や地球政府とは、もともと、折り合いが良くないのであるから、多少は致し方ない。


 『ジラ』は、宇宙戦闘艦と、巡洋艦を10隻もだしてきた。


 『パンダ大王』は、主力の巨大戦艦『メロディ丸』に加えて、高速駆逐艦『くんくん丸』を従えている。


 海賊船『ぶっちぎり5世号』は、中でも、恒星間航行をする能力もあり、武装力でも一番力があることは、皆が承知していた。


 つまり、本気で逃げられたら、追い付くのは難しいが、太陽系内で、恒星間運行をすることは、たいへん、危険である。自滅行為である。


 地球政府は、公権力はあるが、太陽系から外に出ることは、銀河連盟との協定で、同意を得なければ出来ない。


 海賊は、無法が原則である。


 『パンダ大王』は、地球政府と同等の力を持つも、銀河連盟には、逆らいたくない。交易に差し支えるからである。もちろん、政府との戦争にはしたくない。後始末が大変だからである。


 三者三様なのだった。


 そこで、しばらく、にらみ合いと、言い合いが、あったのである。


      📢 


 


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る