キャラクターの名前

 小説を書いていると、キャラクターの名前を考えることが多い。

 名前というのは、作品では重要な役割を持つこともある。名前が、主人公の出生に関わっていたり、生まれ持った能力を持つ理由になっていたり。

 私は、あまりそういった意味を持って作品のキャラクターの名前を付けたことはないが、気に入っている名前というものはある。

 1つ目は、初投稿作品である『シェアハウス四方山話よもやまばなし』の主人公、芥川あくたがわ愛花。

 一見すると、普通の名前だが、ここの愛花は「いとはな」と読む。

 こんな名前にしたのは、初めての作品だから、少し変わった名前にしたかったというのもある。だが、小説を書こうかなと考えたときに、はじめに思いついた名前が、いとはなという名前だったのだ。

 私自身の本名が変わっている、というのもあり、少し変わった名前を愛してしまう傾向もあるが、このいとはなという名前は、特に気に入っている。言語化するのは難しいが、いい名前だと思っている。

 2つ目は、『幽霊が出た!』の登場人物、浮雲うきぐも倫理りんり

 浮雲という、ふわふわしていてどこ吹く風のイメージのものと、倫理という厳格で人を強く守るもの。相反するものが、競合しているのがかっこいい。

 この名前に関しては、まずは倫理という名前が先に思いついて、その後に浮雲という苗字が思いついた。ちなみに、この浮雲倫理の姉である浮雲論理ろんりというキャラクターの名前も好きだったりする。こちらも、下の名前が先に思いついた。

 人は、自分で名前を決めることは難しい。改名するという方法はあるにしろ、それでも幾年いくねんかは親から名付けられた名前で過ごすこととなる。

 小説など創作物の場合は、キャラクターの名前はキャラクターが勝手に変えることができない。

 私の小説のキャラクターが、自分の名前を気に入ってくれていたら、とても嬉しい。

 現実で子供ができる見込みがないので、すくなくともキャラクターには、そう思っていてほしい。

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