第13話 言質
緊急治療を受けていたロキは、次の日のお昼近くに目を覚ますこととなった。
「ん……、ココは……?」
「お!気が付いたか?」
「……!?お前は誰だ……?」
「おい!俺のこと忘れるってそれはないだろ!!」
ロキの目覚めのボケにライは半眼になりながら抗議した。
「……フッ!冗談だ!」
「お前の冗談は笑えないからな!それと、ロキが目を覚ましたら司令塔に俺と向かうように言われてるから!医療班に伝えてくるから、準備しておいて欲しい」
「わかった!」
ライは医療班の居そうな方へと出ていった。
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ライに言われた通り準備をして数分待つことになった後、ライと医療班の男が戻ってきてロキの状態を確認し、『無理しなければ大丈夫!』と許可を出した。
そして、二人で司令塔に向かう道中に昨日の事を話していた。
「──って事でお前は医療テントに居たったてわけよww」
「あ~、わりぃな迷惑かけて……」
「別に良いけどさ……多分司令官にも聴かれると思うけど、昨日は結局ナニがあったんだ?」
おもむろにライが真剣な顔でロキに聞いてきた。
「……実はな、散歩に行くって言った後……湖の方角に進んでたんだよ」
「たしかに、湖の方角から帰って来てたよな」
「そこの記憶は曖昧なんだが……いきなり撃たれて、銃撃戦になったんだ──」
ロキは、ミツキの事を伏せて昨日の出来事をライに語って教えた。
ロキの話を一通り聞いたライは、顎に手を当てて考え込む。
「湖の方で敵兵がな……あそこは、俺たちが一応占領している部分だよな?」
「まぁな……それでも前線よりは外れてるがな」
そんな会話をしてるうちに、司令塔まで到着していた。
「到着だ!大丈夫か?」
「あぁ!問題ない……」
大丈夫そうに見えないほどに、ロキの顔は生気がなかった。
「まぁ、ケガで手術したとはいえ、病み上がりだからな……もし、アレなら言えよ!」
後半の言葉で、ロキに向けていた顔が真面目な表情となっていた。
「わかった、その時は遠慮なく言うさ!」
「ヨシ!」
困った顔での言質をロキに取らせた事で、いつもの軽口を言っている表情に早変わりするライ。
「入るか!」
「あぁ!」
そして、二人は司令塔に入って行った。
続く
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