第18話 バンド結成しようぜイェ~イっ♡ ……ええそうですよ。バンドやるとは言ってねンだわ。いつもどーりなンだわ(世迷いごとなンだわ)

SA~~~Y! エロ研究部でバンド結成しちゃおうぜ~~~!」


「いきなりだなルナ。だがノってやろう。イェ~~~イっ!」


 口火を切るルナに、ノるカヲリ。

 いつものエロ研究部文芸同好会の部屋で、すみれと花子も思い思いに過ごしており。


「……ば、バンドですか? いつもながら、急ですね……」


「てゆーか……何でそんなこと言い出したんですの?」


 花子が当然の疑問を投げかけると、ルナは腕組しながらドヤ顔で、その知啓ちけいより生まれし深謀遠慮しんぼうえんりょを一台詞で明かした。


「学園モノっていったらバンドっしょ……伝説を刻んでやるっしょ……!」


「まずわたくし達は学園モノですの? ただ学校通ってるだけなんですけれど、その理屈でいったら、世の学生さん皆すべて学園モノってことになりませんこと?」


「ヤルっきゃないっしょ……エロ研究部のほとばしる熱い情感パトス、見せつけるっきゃないっしょ……!」


「歌うのは残酷な天使のアレやコレや(配慮)なんですの? てか聞いてませんわね、相変わらず都合の良いお耳ですこと……!」


 花子、ちょいおこ☆(〝おこ〟ってもう死語らしいですよ。はえぇなァ~時代の流れがよォ~)


 さて、妙なことを言い出すのもいつも通り、続けてルナが仲間達に問うのは。


「んでねんでね……みんな、なんか楽器とか出来る?」


「……ちなみにルナ、おまえは?」


「カヲリちゃん、愚問ね……サッパリなんも経験ないわ!」


「ホント相変わらず、何で言い出したのか分かんねー女だよ、逆に潔いぜ……」


 カヲリも呆れを通り越して感心するレベル、だが――そのままニヤリと不敵な笑みを浮かべ。


「まあウチ……ドラム、たまに叩くんだけどよ……!」


「な、なにィ!? いきなりイイトコ突いてくんじゃんカヲリちゃん、さすがエロ研究部~!」


「へへ、よせやァい……まあ一人暮らししてる兄貴が置いてったヤツ、たまにイジるだけなんだけどよ……ストレス解消に結構イイんだよな。楽譜とか読めねーしリズムとかもイキナリは難しいだろけど、触ったことアルかナイかはデケーだろ?」


「いいねいいねっ……アタシ一気にテンション上がってきた~!↑」


 アタイ嫌いじゃないよ、そーゆー勢いだけのノリ……☆


 と、そんな勢いに乗ったルナが、続けて花子に問うのは。


「ちなみに花子ハナコちゃんはDoどう!? エロ研究部の意外性の塊、お嬢様キャラの花子ちゃんなら、何かスゴイのあるんじゃ……!?」


「ハナコじゃなくフローラじゃっつんじゃいですわ。んで、え……も、もちろん楽器の嗜みはいくつかありますけれど……バイオリン、チェロ、ピアノなどなど……」


「ことごとくバンドじゃ聞かない楽器だねェ! 成立したらおもしろそーだけど、大抵は〝なんかアイツだけ浮いてんな……〟ってなっちゃうよ!?」


「まあそうでしょーし、だから小学校の出し物とかの時は……そう、確かタンバリンとか叩いてましたわ」


「やや被ってんねぇドラムと! 打楽器つながりってーか! ま、まあ暫定だし、ひとまずいっか……じゃあ、次は――」


 ルナが言い出すより先に――すみれが軽く挙手しながら割り込む。


「……ボーカルはルナさんじゃないですか? 歌の上手さといい、どう考えても最適解だと思うんですけど……」


「へっ? え、いやー、アタシとしては……すみれちゃんがイイんじゃないかなってか……すみれちゃんの静やかでキレーな歌声を学園に轟かせたいってかぁ……」


「静やかな声はあんまり轟かないと思いますけど……あとそれなら私だって、ルナさんの歌を皆さんに聴かせたいですね~……自慢の仲間として♡」


「ワッサッ!? じ、自慢とかぁ~……そ、そんじゃアタシでもいっかな~! すみれちゃんの声のがイイと思うけど……でもすみれちゃんが言うんならにゃ~!?」


「ふふっチョロイ……ケホンケホン。楽しみにしてますね♡」


「う、うへへ、そんなそんな……チョロイだなんて照れるじゃ~ん!(バッチ聞こえてるし褒められてない) ……あっでも、すみれちゃん楽器って……?」


「あ、私ですか? そうですね……」


 考え込んだすみれが、ようやく出した結論は。


「出来そうな自信があるのは……カスタネットとかですかね?」


「打楽器、打楽器、打楽器! まさかのトリプル打楽器! いやすみれちゃんのカスタネット、カワイー気するけどね!? コレもう成立が危うくない!?」


 危ういのは最初からだが、もはや音楽の方向性以前の問題で解散の危機に――顧問教師であるれいが入室しつつ、口を開いた。


「ふむ。……この文芸同好会の面子めんつで、楽団がくだん(バンドとか言ってくださいよ……)を結成しようとは……なかなかの傾奇者かぶきもの揃いだな。だがかぶくもまた青春の迸り、決して悪いことではあるまい……!」


「野生のカンと理解力に定評のある黎ちゃん先生センセッ……! ハッ、そだ、黎ちゃん先生だってアタシ達の大切な仲間ッ……ねえセンセッ、楽器とかって……!?」


「ふむ? ……ふむ、そうだな、若かりし頃は剣術一辺倒で、他はあまり……いや、確か何度かあったな、そう……祭りで……」


 過去を思い出しつつ、黎が自身を親指で差しながら、発言したのは。


「――――和太鼓なら任せろ!」


「ついには四連続クアドロプル打楽器! どこまでも打楽器! アタシが歌ってる後ろで皆、ダンダンポンポコ打ち鳴らすの!? 大丈夫コレ!? 歌ってるアタシ、なんかただのヒョウキンなヒトになっちゃわない!?」


 ふふっ。


 ……とにかく、このままでは↓のように、

「ボーカル」「ドラム」「タンバリン」「カスタネット」「和太鼓」

 というアグレッシブなバンドが誕生してしまう。


 これはこれで成立するなら見てみたい、が――暫く見守っていたすみれが(若干、笑いながら)救いの手を挙げた。


「あ、そういえば私、昔ちょっと興味あったので……ちょっとだけなら、キーボード触れますよ♡」


「すっすすすみれちゃ~~~ん! てか早く言ってよ~アタシ不安になっちゃうじゃん! んもぉ~~~!」


「すみません、思い出すのに時間が……ンフッかかっちゃって」


「ちょいウケてんじゃん~~~~~!?」


 すわっ、と抗議するように縋りつくルナを、すみれは座ったまま〝よしよし〟となだめる。


 ……と、そもそもの話を――カヲリがルナへとブッ込んで。


「……てかバンド結成するとして、どこでご披露ひろ~すんだ?」


「……えっ? そりゃ……お約束としちゃ、学園祭とかで――」


「学園祭、確か10月とかだろ。……今、五月なんだけども」


「………………」


 暫しの沈黙、その後――ルナが揚々ようようと述べたのは。


「練習期間は充分にアルってコトっ……アタシらの前途はYoYo洋々ってコト?ね!」


「前向きだなァ~オイ。まあ結成するっつったけど、やるとは言ってねぇかんな……明日には忘れてそーな気もするけど、いつかホントに出来っとイイなぁ~?」


 カヲリちゃん、粗野に見えて優しいやんね……♡


 とにかく今回の活動(いつもの世迷いごと)にて決定した暫定のメンバーは。


・ルナ=ボーカル(Vo.)

・カヲリ=ドラムス(Drs.)

・花子=タンバリン(なんて略すんだよタンバリンって)

・すみれ=キーボード(Key.)

・黎=和太鼓(マジなんて略すんだよ和太鼓って)


 いつか実現できっとイイやんね……♡




―――――――――☆あとがき☆―――――――――

 そもそも、そこ(10月)まで続くんか微妙やんね……♡


 そんな子達に是非とも☆と♡を頂ければ嬉しいです♪


 あと作品フォローいただければ嬉しいです♪(ご、強欲……!)


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