第16話 カラオケ回だ~☆ ……でもね、著作権関係とか超難しいよ。どう表現すんだオマエ(作者)、コレ大丈夫かオマエ(作者)、何で始めちまったんだオマエ(作者)

「というワケでっ、エロ研究部一同――ガッコ帰りにカラオケ来ました~っ♪」


「ヒューッ! 盛り上がってこーぜーイェーイ!」


 ルナとカヲリがテンション高めに口火を切る中、花子とすみれは少し落ち着いている――ように見せかけて、それなりに楽しそうなご様子。


「全くもー、相変わらず慎みに欠けますわっ。……けれど、お友達とカラオケに、なんて……青春してる感あって、昂りが抑えきれませんわねぇッ……!」


花子フローラさんお嬢様すぎて、同級生もほとんどが遠慮しちゃうレベルですもんねぇ……そういう意味ではルナさんやカヲリさんは貴重ですね、ふふっ♪」


「す、すみれさんもですわー! むしろわたくしの心の友ですのよーっ!?」


「なんか今それ言われると、ジャからあだ名が始まる剛田さんの御長男を思い出して、ここからの歌唱に不安が出てきますが……ま、まあ置いときますっ」


 すみれはツッコミも空気を読めて頑張ってくれる子、超助かる。


 さて、包み隠さずテンション上がりまくりの二人のうち、カヲリがマイクとデンモクカラオケのリモコンな☆を用意しつつ、発言しようとするが――


「お~っしナニ歌うかな~っ。そだ、最近めちゃハマってんだけど、ず――」


「待ってカヲリちゃん。……アーティスト名、曲名、並びに歌詞の一部などを明言するのは控えましょ。アニメやドラマ等、ナニで使われたのかなどを仄めかすのもダメよ。気をつけていきましょ」


「……ぉ、オゥ……でも、あの……な、何で……?」


「……ハッ!? えと、ウン……何でだろ? あー、その……エット……」


 何だか我に返ったかのように悩み始めたルナが、ようやく出した理屈とは。


「……そう、その……何の歌を入れたのかとかさ~、伏せといたほーが実際に歌う時、〝この曲か~!〟ってカンジで盛り上がるジャン!? だから、そういうカンジで……いい、よね……だよネ?」


「お、おう、いいよ全然イイ! むしろよく頑張ったよオマエは、ほら遠慮なく飲めよ、ドリンクバーだから遠慮とかしねーだろけど、ホラ……!」


「あ、アリガト、カヲリちゃん。んぐんぐ……ぷはー、カルピスソーダおいし~♡」


 調子を取り戻したらしいルナの飲みっぷりに、それを見ながら花子が呟く。


「なんかよう分からんこと仰ってますけれど……炭酸系もおいしそーですわねー。まあわたくしはお嬢様らしくお紅茶ですわっ。……ちなみにすみれさんは何を?」


「あ、お湯です」


「なななぜドリンクバーもあるのにわざわざお湯をー!? ……ま、まさかダイエットでも……? いやーっ不要ですわそんなんー! むしろ細すぎて心配ですしもっとお肉つけたほうが良いくらいですわよー! うおーたぷたぷんなれお腹周りー!」


「いやハナ花子フローラさん、人のお腹をつつきながら恐ろしいこと言わないでください!? ち、違いますよ、ダイエットとかでなく……喉に優しいからですよ。常温くらいのぬるいお湯って、喉に負担がかかりませんから」


「ほ、ホンマですの……? わたくし焦りすぎて〝ハナ〟とか幻聴が聞こえちゃいましたけれど……にしても、さすがすみれさん、知的ですわぁ……でもそーなると、わたくしの紅茶とかの場合どーなんでしょ?」


「紅茶はカフェイン少な目ですし、良いと思いますよ。……でもぶっちゃけてしまうと、飲みたいと思ったものを飲む、で全然良いと思います。カラオケなんですし、せっかく仲間同士で騒ぐんですから、おいしくて楽しいのが一番……ですよね♪」


「ありがてぇ……わたくし、その御言葉、想ひ出メモリィに焼き付けますわ……ありがてぇ……」


「花子さんそんなキャラでしたっけ? ……いえ、うん……結構そうかな……」


 お嬢様の言動ぶれ、否定できませんことよ。


 と、いよいよ本題、マイクを手にしたカヲリが一番槍(もう少し女子高生らしく言え)を務めるらしく、彼女の入力した曲が流れ始める。


「おーし、ウチの歌を聴け~! ……今のはイイよな?」


「歌詞とかじゃないし、イイはず……そうよ、今のはカヲリちゃんのコトバよ! 大丈夫、思いっきりイッちゃえ~! あっ今の言い方エロ研究部っぽ~い♡」


「っし、そんじゃ――いくぜ――!」


♪ ↓カヲリちゃんが歌ってると思ってネ☆ BGMっぺぇなァ↓ ♪


 カラオケルームに響くカヲリの歌声は力強く、それを聴いている三人も楽しそうで、ルナ・すみれ・花子と順番に感想を漏らす。


「ヒューッ、いいぞカヲリちゃーん! カヲリちゃんとはよくカラオケくるんだけどさー、とにかくパワーあるからコッチも盛り上がるんだよネー♪」


「本当ですねえ。しかもハスキーなボイスも出せるし似合いますから、緩急あって良いですね……渋い感じで歌われると、時々ドキッとしちゃいますよ」


「普段もたまにワイルドなトコありますけれど、その辺のイメージも手伝って、低音ボイスとかも上手い具合にハマってますわねぇ……よろしくてよ!」


♪ 歌、終わったゾ☆ ッシャス、お疲れシャーッス! ♪


「――ふぃ~。やっぱ思っきし声だすと、キモチイーなー。んで次は花子ハナコか、あとは任せたぜ……ガクッ」


「フローラだし、なんで力尽きたんですのカヲリさん。……んふふ、まあ良いですわ。お嬢様の華麗なる歌声、とくと見よですわーっ!」


「声は見えねーよ。まあでも、盛り上がってるみてぇだし……とにかくヨシ!」


 カヲリがマイクを置くのとほぼ同時に、マイクを握る花子の曲が始まった。


♪ ↓花子が歌ってんですわ。そういうコトにしとけですわ↓ ♪


 歌いだした花子の声音を聴きながら、まずルナが感想を呟いた。


「おー、花子ハナコちゃんもカヲリちゃんに負けじと元気なカンジだね~。英語とかアタシよくわかんないけど、発音イイナ~って思うわ! ……でも、まあ……何ていうか、その……ね?」


「……オウ、その……なんていうか、なんでだっていうか……な?」


 ルナに続き、カヲリもどことなく微妙な表情をしていると――その理由はすみれが明かした。


「その……歌の節々に〝ですわ!〟とか入れちゃうのは、何でなんでしょうね? 英語の歌詞とかでも〝ですわ〟を付けちゃうから、もう謎の言語なんですよね……」


「だよねすみれちゃん……採点とか入れてたら、その部分だけ急に点数下がるんじゃないかな~……あっでもノド慣れてきたら採点やってみてもイイかもね☆ ……花子ハナコちゃんには酷かもだけど」


『~♪ ですわ!』


♪ 歌、終わったニョロ~☆ キャラ作りに余念がねぇなァ~? ♪


「ふぅ~……お友達とカラオケなんて、初めてですけれど……なかなかテンション上がりますわね! どうでしたかしら――」


「ウ、ウン。英語とかスッゴイ発音よかったですわよ!」

「オ、オウ。ウチ英語とか苦手だから羨ましいですわ~」


「ンですのルナさん、カヲリさん。何で急に語尾をパクりはじめてんですの」


 怪訝けげんな表情の花子に、〝ウェハハハ……〟と笑って誤魔化すルナとカヲリ。なんなのよその笑い方。


 と、そうこうしている間に、次はすみれの入れた曲の前奏が流れ出し。


「あ、次は私ですね。……う~、ちょっと緊張しますね……」


「「! …………」」


「ワハハ、あるあるだな~。……ん? ルナ、花子ハナコ、なんか急に真顔まがおで……つか何で急に黙ってんだ? オーイ?」


 カヲリが問いかけるも、当のルナと花子は真剣な表情で背筋を伸ばして座り――ついにすみれの歌が始まった。


♪ ↓すみれがうとうちょりますよ。ガハハ↓ ♪


 カヲリや花子と比べれば、静やかな曲調と歌詞――マイクを握るすみれを見て、カヲリが感心した声を漏らす。


「ヒューッ♪ やるね~すみれ。ゆったりした曲もすみれにピッタリだし、そーいや地声もキレイだもんな~。イイよなあルナ、花子ハナコ――」


「静かに……………」

「頼む………ですわ」


「アッオッ、オウ。そ、そんなカンジ? 推しを全力で摂取する時間みたいな? なんか大声で呼んで巨人化してもらいたくなる反応だけど、困るなコレ何かこうな?」


 静かに目を瞑り、噛みしめるように聴き入るルナと花子に、さしものカヲリもちょっぴり戸惑うのだった。


♪ 歌い終わりやけんね……♡ ♪


「……はぁ~。緊張しましたけど、吹っ切れちゃうと楽しいですね……私も花子フローラさんと同じで、誰かと来るようなことはほとんど無かったですし……と、すみません。次は――」


「ブラァーボッ……ブラァーボッ……すみれちゃんッ……!」


「いやルナさん雰囲気が何やらおかしくないですか!? ……う、う~ん、ルナさんに褒められると、個人的には変な感じですが……」


 すみれが不明瞭なことを呟きつつ首を傾げるも、ルナは(変な)喝采を止めないし、花子はいまだに余韻に浸って目を瞑っている。


 というやり取りをしている内に、入力された曲の前奏が始まり、ルナがマイクを手に取る。


「おっ。次アタシか~。うえっへっへ、したらばアチキの歌声、聴きやんせ~☆」


「なぜ謎の方言を。……でも、ルナさんの歌ですか。心の準備が必要ですね……」


「ちょちょすみれちゃんそれDo youどーゆー意味~!? なんか、なんかっ……逆にテンション上がってきたんですけど~!?(ウッヒョー)」


「な、なんでですか? あ、どういう意味というか……って、歌始まりますよ?」


「んお、ホントだ~。じゃ~ルナ、イッきま~す☆」


♪ ↓ルナが歌ってるニャン☆ へえ、急に媚びんじゃん……♡↓ ♪


 ……ルナが歌い始めて、暫くしてから。


「……私」


 ぽつりと呟いたすみれが、続けて口を開き――ほう、と感嘆の息を吐く。


「ルナさんの歌声……好きなんですよね。初めて聴いたの、去年の学園の聖夜祭で、ですけど……合唱コーラスでも、ルナさんの声だけハッキリ聴き分けれるくらい上手で……本当に、すごいです」


 すみれが聞き惚れていると、カヲリも軽めに頷く。


「だよな~。ちなみにそん時の聖夜祭、コーラス部から助っ人だか頼まれて参加したんだってよ。ウチもだけど学力アレでも多少は大目に見られるくらい、めちゃウマイし有名なんだよな~」


 ルナの歌唱力は、それこそカヲリの素直な感想通り――だが。

 続けて花子が口にする言葉は、微妙な表情と共にで。


「炭酸飲もーと何だろうと、関係ナイって感じですものね。ええ、ホント……なんでそんな人がエロ研究部とか言い出したのか、マジ謎なんですわ。スポーツ万能のカヲリさんもですけれど……」


「それは本当にそう……」


 花子の疑問に、すみれも心から同意するのだった。


♪ 歌ァ終わったぞォ。喉ォ大事にしろよォ……☆ ♪


「――ヒューッ♪ カヲリちゃんのーとーり、思っきし歌うのキモチイーわねー。おーっし、フリータイムだし、明日休みだし、盛り上がってこーっ♪」


 マイクを置きながら気合を入れるルナに――すみれが微笑みつつ語り掛ける。


「……さっきの話の続きですけど、私、ルナさんの歌……大好きですよ。ふふっ♪」


「ピョン!? まままた急にデレんじゃん最近多くない!? どしたどしたー!? てかアタシのセリフ~! すみれちゃんの歌声、めちゃ好きだし~!」


「おし、次またウチだな~。そろそろ採点でも入れっか~♪」


 そんな感じで何やかんや、楽しく盛り上がりました☆


♪ ↓ちなみに皆の採点、大体こんなカンジぞ☆↓ ♪

カヲリ=80点台、得意曲なら80後半くらいなるパワーヒッターやで☆

花子=80前後。〝ですわ〟が、〝ですの〟がね……ドウシテ……?

すみれ=90前後スタンダード、得意曲で95以上も。上手いの羨ましいやんね……♡

ルナ=今回一度だけ100点が出た瞬間、本人を含めて全員が唖然→騒然とした。




―――――――★あとがきっぽい余談ぞ★―――――――

 余談も余談ではございますが、D〇M様の分析採点のお話で。

 作者わだす、何をどう歌おうと、どんな歌だろうと、マジ85点前後ばかりなのですがナニユエ? 90の……90の大台に乗らないの……乗りてぇです……。


 教えて上手い人……教えて……あと♡と☆を押して……押してって……。

 同じ感じの方、共感して……あと♡と☆を押して……押してって……。

 あと作品フォローして……フォローしてって……。

(ご、強欲……!)

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