異世界忠臣蔵 ~赤穂浪士の吉良さんに転生した件、討ち入りされて殺されたく無いので全力で回避します ~
るしあん @猫部
第1話 夢か現《うつつ》か幻か ①
ハァ ハァ 今、わたしは必死に隠れる場所を探している。
時は、
確か、昨日の夜は趣味のWeb小説を読んでダラダラ過ごした後に『赤穂浪士』を見ていたら、そのまま寝落ちしてしまい気がついたら老人の姿の自分に気がついた。
それと同時に、老人の記憶が頭にダウンロードされたように流れてきたんだ。
言わずと知れた『赤穂浪士』の悪役である。
夢だと思い
夢じゃ無い、現実だ !
よりにもよって、悪役の吉良なの !
現実のわたし、死んじゃったの?
それよりも今は逃げなくては、赤穂浪士に殺されてしまう。
赤穂浪士の知識は、ほとんど無いわたしでも、討ち入りの日付けだけは覚えていた。
クソゥ、どうせなら討ち入り当日では無く、もっと前に転生させなさいよね !
その時、何処からか声が聞こえてきた。
── その願い、叶えてやるのじゃ !
ただ、今からだと間に合わぬので、とりあえずは生き延びるように頑張るのじゃな !
なぁ~に、一回死ぬのも二回死ぬのも同じじゃから大丈夫じゃろう。
二回目の転生は、もう少しだけ改善するから頑張って ! ──
えっ、貴女は誰 ? もしかして女神様なの?
── 妾は、女神ユリリン。 とある底辺作者が創作した、スーパーヒロインなのじゃ !
妾が主人公の予定だった物語なのに、
……底辺作者が創作したヒロインなの!
それが本当なら、どうして本当に神様に成っているのよ !
ドーン !
いかん、大づちで門を打ち破った音だわ !
台所の炭部屋が目に入り隠れてしまった、そう隠れてしまったんだ。
バタン !
戸を破られた。
家来の武士が守ろうとしているが、多勢に無勢だ。
「殿を絶対に御守りするのだ !」
「「 おう ! 」」
もう、こんな良い部下を犠牲にしても助からないのなら、わたしは
「わたしが、
お前たちの敵はわたしなんだから、部下さんには手を出さないでよね ! 」
「殿、成りませぬ ! 殿の命は我らより重いのですぞ !」
部下が涙を流しながら俺を守ろうとしてくれる。
しかし……
グサッ !
わたしの身体に槍が刺さり、あまりの痛みに倒れてしまう。
次々と刺さる槍、やがて刀を抜きクビを落としに来た武士の姿が目に映った。
グサッ、ドサリ……ゴロゴロ と転がるわたしの頭。
クビが落とされたのに、まだ意識があるだと……
「竹林
正々堂々 ? 卑怯者のクセに何が正々堂々よ !
「おい、口封じの為に吉良の家来も皆殺しにするぞ !
吉良は、見苦しく逃げ回り命乞いをした、武士の風上にも置けない悪党だったことにするからな ! 」
そういい放ち、わたしの部下さんたちを多数で斬りつける赤穂浪士たち。
ごめんなさい、部下さん達。 わたしが不甲斐ないばかりに……
意識が遠退いていく……
なるほど、歴史は勝者が都合の良いように残していくと云うのは本当だったんのね。
この後、卑怯者の赤穂浪士が武士の鏡と
世の中は、な……んと……理不尽……な…の…………よ
わたしの一回目の転生は、こうして幕を閉じた。
そして、二回目の転生が始まる……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます