instant

あるまん

TMN

 眠れない午前二時 苛立ちがドアを……叩きはしないが^p^ しかもTMNと銘打ったがこれは小室哲哉ソロの曲だよな。


 まあともかく、いつものDMMブラウザエロゲーのデイリークエスト(つまりは日課)を消化しながらカクヨムを読んでいたらこの様な時間になってしまった。

 いつもならそのまま寝入りながら自慰をするかそれすらも億劫で寝てしまうだけだが、その日は腹が減っていた。前の日の夕食がラーメンだったせいかもしれない。

 僕は万年床の上で全裸の状態から面倒臭そうに脱ぎ散らかしていたトランクスを履き部屋の引き戸を開ける。9月末、やっと寝苦しい夜じゃなくなり、過ごしやすくなった深夜の肌寒い空気が部屋に入り込み、慌ててこれまた脱ぎ散らかしていた680円の黄色いTシャツを着る。


 買い置きしてある袋ラーメンを食べようと、茶の間に行き置いてある壊れた黒い冷蔵庫を開ける。捨てるのも金がかかるし乾物や調味料・猫のカリカリ餌入れにしているのだ。

 以前買った近所のスーパーチェーンPB(プライベートブランド)の袋味噌ラーメンがあると思ったが、その他に有名メーカーの袋醤油ラーメンがあった。同居している姉が気を利かせて買ってくれてたらしい。

 僕は迷わず2袋残っていたPBの味噌ラーメンを手に取る。どうしても味噌の気分だった訳ではないが、姉の買ってくれた醤油ラーメンは購入時の5袋でパッケージされた状態だったうえ、夕方のラーメンも醤油味だったせいもあるかもしれない。まあ冷静に考えたら、というだけで何も考えてなかったのが正しい。


 因みに別のメーカーの袋ラーメンがそれぞれ1袋、計2袋残っていた場合、迷わず2つとも手に取り、同じ鍋で茹でる。

 それどころか味噌と醤油、味噌ととんこつ等の組み合わせだとしても混ぜて食べてしまう。

 可笑しいと思うかもだが味よりも量を優先させているのだ。大台を越えた体重なれど3袋は多過ぎ、1袋は少な過ぎる。5袋ワンパック250円ほどのインスタント麺など味はどのメーカーでもほぼ同じ、味噌と醤油を混ぜた所で不味くなる訳でもない。


 台所へ行き慣れた手付きでラーメンが2つ入る程度の手鍋を持ち、シンクの蛇口から水を入れ、蓋をしてガスコンロの火をかける。

 袋ラーメンは封を開け、粉末スープを取り出したのち2つに折る。こうする事で2袋分が程よくお湯につかり、茹でムラが無くなる気がする。まぁ大抵は茹での違いなど判らないほど長く茹でるのだが。

 今回はしなかったがおやつ代わりに麺をバリバリと食べる事もある。ベビースターラーメン程とは言わないが程よい塩気とボリューム感があり、茹でるのすら面倒な時は一袋丸々食う時もある。健康に良いか判らないのでお薦めはしないが。


 お湯が沸く間、白い冷蔵庫(こちらは現役だ)を開け何か具材になりそうなものを探す。これまた同じスーパーで買った5cmほどのウィンナーが3本ほどあった。グラム100円ほどの物であらびきのような食感もない、だが安いので姉の弁当等に活躍する為ほぼ常時冷蔵庫に入っている。

 卵も一個出す。じわじわと安くはなってきたとはいえ二個入れるにはうちにはまだまだ高級品だ。

 10本500円程度の安い栄養ドリンクが数本あったので、ジュース代わりに1本飲み干す。こんなものはほとんど栄養的な効果はないと思いつつも辞める事は出来ない。


 そうこうしてるうちにお湯が沸き、先程2つに折った袋麺とウィンナーを投入する。ウィンナーを切ったりなどしない。

 蓋をして再沸騰する間に麺の袋とドリンクの蓋と空き瓶を捨てに行く。といっても5秒ほどで行ける隣りの部屋のゴミ袋だが。

 再沸騰し吹きこぼれる前に蓋を取り、箸を使って麺を軽くほぐし、マグカップに半分ほど入れた吃驚水を投入してまた蓋をする。この吃驚水を入れるか入れないかで味が変化すると感じた事はまずないのだがこれも習慣だ。

 蓋を閉める時結構な水が零れて吃驚した。思ったよりも水蒸気が付着していたらしい。


 茹で上がるまでの3分弱、特に何かをしてる事はない。暇な時は冷蔵庫を開け待ってる間に摘めるものを探したり、茶の間に戻ってTVの電源を入れビデオ(DVDレコーダー)のセッティングをしたり、台所にいる場合は健康の為? 片足立ちをしてたり様々だ。1分間ずつ片足で立つだけで50分の散歩と同じ効果を得られるらしいが……正直眉唾だろう。

 そうこうしている内に麺が煮えそうだ。先ほど冷蔵庫を漁った時にマーガリンも見つける。これをバターナイフで掬って入れればバターラーメンもどきにもなる。

 別の鍋にお湯を用意し、ラーメンどんぶりにスープを作っておくという事もしない。手鍋にそのまま粉末の味噌スープを投入し、同じくマーガリンを入れ軽く混ぜ、コンロの火を消して卵を割り入れまた蓋をする。完成だ。


 手鍋の侭茶の間に持ってきて、テーブル代わりの黒い炬燵の上に置く。この炬燵も僕は一度も炬燵として使った事はないが今も動くのだろうか?

 上には各種調味料、ティッシュペーパー、猫の飲み水の入ったガラスのコップ、箸入れ、のりたま、まだ封を開けていない500mlの牡蠣醤油等があり我ながらもう少し片付けれと思うが勿論しない。

 流石に深夜の二時、姉も寝ているのにTVを付けたりはしない。ただ黙々とラーメンを食べるのみだ。

 蓋を開け、白くもなっていない生卵の上に一味唐辛子をかける。ちなみに先ほど言ったちゃんぽん麺の時は一味にするか胡椒にするかはランダムだ。

 いただきますの一言も言わず無言でラーメンを啜る。美味しいとか不味いとかの感想もない。ただ黙々と、空腹を満たすだけだ。

 麺は割と程よい固さに仕上がった。生卵とも絶妙に絡む。ウィンナーも程よいアクセントになっているが、無論感動といえるものではない。

 この時間に食うのは稀だが、月の半分は何らかの形で袋ラーメンを食べている。良く言えばほぼほぼ日常になっているのだろう。

 深夜というのもあり急いで食べ終え、食後の余韻を楽しむ事もなくすぐさま立ち上がって台所に行き、シンク内の生ごみを入れる三角コーナーに汁を捨て、鍋を軽く水につけておく。その場で洗う事はしない。

 そしてすぐ、自室に戻り……またPCのモニター電源を入れて先ほどまでしていた作業を再開する……。


 さ、何故こんな何も感動もない夜食を小説にしようと思ったのか……それすらも実ははっきりしない。

 感動した訳でもないし、特に小説のネタに詰まっていた訳でもない……正直そのまま寝てしまい明日への英気を養う方が良かっただろう。

 まぁしいていえば、この様な我ながら普通の事と思う日常の一コマを書く事で誰かにそこが変だと突っ込んで貰いたかったのかもしれない。

 実際今書き起こしただけでも冷静に自分の少し可笑しい行動(袋ラーメンを2個、塩味噌醤油関係なしに混ぜて食べる、袋麺をバリバリとスナック菓子テイストで食べる)とかも客観的に確認出来ただけでも書いた甲斐はあったかもしれない。


 ……ま、一番はこの様なくだらない日常を小説として書ける様になるほど、小説に慣れてきたというのを再確認出来た事かもな。

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