世界

いちごはニガテ

第1話 終わりと始まり

「むっ、いかん」

 突然現れた若い男に、父さんは声を漏らした。


「死ねよ、アルマレジス。俺様の糧となって!」

 突き出された男の掌から、眩い閃光が迸る。


「ルイナ!捕食ホショク………」




父さんので 


 けれども走り出したボクの周りの世界は、再び色を取り戻しボクは脚を止めてしまった。


「かつて帝国魔導団にて、無敵ムテキと呼ばれたテメーも俺様の光の魔導ヒカリのマドウには叶わなかったようだな!百の従魔を操ったと言われたテメーの能力マドウは俺様が全て頂いてやるぜ!」


「……… 解放カイホウ 」


「ん?まだ動けるのか??」


に追い打ちを掛ける。


それは再び光を浴びて、黒焦げの塊と化していた。






「………増殖ゾウショク浸食シンショク…」


ボクが無敵ムテキから取り戻したを唱えると


「なんだ?小僧やる気か??ショボい従魔風情が綻びホコロビマドウ持ちの俺様に敵うとでも思ってんのか!」


奴の光がボクを焼き続けるが、増え続けるボクには敵わない。

青い濁流と化したボクは奴を呑み込み溶かしてゆく。



「コンナ…バカナ…オレサマガ……サイキョウ」



ボクは奴を全て呑み込み、力と記憶を手にする事となった。


それは偽りの世界の終わりを告げるものであり、新たな真実の世界の始まりの訪れでもあった。


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