刑務官の俺は女子少年院で少女達の面倒事を見ている
黒金 影輝
第1話 ろくでもない職場と不良少女達
俺は道を走っていた、全速力で思いっきり地面をへこむくらいの勢いで。
それもそうだ、早くしないと職業安定所が閉まってしまう。
道行く人々は、俺を見て驚き唖然とし何か変な物でも見るのような目をして引いていた。
しょうがないだろ、もう後一時間くらいで終わってしまうのだから、こうでもしないと俺の人生が終わってしまう。
俺は何とか、間に合って受付の女性に「
受付の横に置いてあるパソコンで、カタカタとうるさい音をたてながら調べた、希望の仕事場に受付の人に電話をして貰ったが、10件中10件が全てダメだった。
申し訳なさそうに、対応してくれた女性は手を合わせながら謝ってきたが、俺にとってはそんなことはどうでも良かった。
何せ、今日で駄目なら田舎に戻って、実家の畑を継いでいく予定だったから。
これで、もう都会との生活もおさらばかと思った瞬間、とあるポスターが横に貼ってあることに気付く。
ポスターには、刑務官募集、初心者大歓迎、先輩が仕事を新味にサポート、アットホームで
可愛い女の子と美人な女性と触れ合える、楽しい職場です!
などの、文言が太くデカデカと黒い文字で書かれていた。
その瞬間、自分の頭の中にビリビリと電流が流れたような気がして、これだと思い受付のお姉さんに尋ねる。
「あの! あれいいですか!?」
俺は、ポスターを右手で指差して、ここでお願いしますと部屋の中に響き渡る声で言った。
受付のお姉さんは、そんな俺をまぁまぁと落ち着いてと言いなだめる。
受付のお姉さんは、パソコンのキーボードを慣れた手つきで叩き、資料を見ながら俺の働き先を調べてくれている。
お姉さんは、調べ終えると眉間にシワを寄せながら、ここはやめておいた方がいいと言ったが、俺はそれでも働きたいと意思を伝え、根負けしたのかひきつった笑顔で、電話をして面接日の予定を調整してくた。
あれから、仕事に合格して初出勤。
俺は、初日のワクワクとドキドキ感で、心臓の音が太鼓みたいに叩かれたかのような音をしていた。
体も、ガチガチで手の震えが酔っぱらいのアル中の、おっさんのように止まらなかった。
俺は何とか勇気を振り絞り、インターホンのチャイムを鳴らす。
インターホンからは、女性のは~いと言う声と共にドアが開く音がして、そこからスカートのスーツ姿の女性が現れた。
スカートの女性に、手招きで道案内をされて待合室と書いてある、小部屋に入る。
担当の者が来るといい、スカートの女性が立ち去り一時間くらい経ったところで、ドアがキーと音をたてて漸く来たのが、いかにも無愛想な目付きが悪い女性だった。
だがよく見ると、顔が整っていて鼻筋が通っていて、背も高いし目もパチリ二重で、黒髪のロングヘアーの綺麗な幼い顔をした女性。
「おい! 大丈夫か!?」
「はい!!」
俺は勢いよく返事をしたものの、目付きの悪い女は不思議そうに顔を覗く。
俺は苦笑いで誤魔化し、何とか取り留めてみるもやはり目付きの悪い女にとっては、呆れていたのか溜め息をはあ~吐きながら頭を抱えていた。
「ここ、どんな職場か分かる?」
「まあ……犯罪をする人の管理をする、仕事ですよね?」
「おい! 君は、仕事の内容も知らないのに応募してきたのか!?」
「え? これから、それを説明してくれるんですよね?」
目付きの悪い女は、俺の言動を聞いてうつむき気分が悪そうにしていた。
それも、おもいっきり睨み付けながら。
「お前! 分かってるのか! ここは、刑務所だ!」
「はい!」
「しかも、お前が担当する者達はろくでもない、問題児ばかりの少女だ!」
「え!?」
「それも、知らないのか!? お前は、これからこの女子少年院の刑務官を担当するんだ!」
俺は、目付きの悪い女からこれからやる、仕事のスケジュールの資料が渡された。
そこには、朝9時までに学習室に行き、17時まで生活など可笑しなことをしてないかの確認や、教科書を見ながら授業をしてオマケに、行動まで一人で監視しなければいけない。
しかも、この担当するクラスは札付きの素行が悪い女の子が多くいて、万引きパパ活は当たり前のようにして、しまいには殺人までしている人物もおり、しかも被害が死んで苦しむ姿を楽しむなど、イカれた性格もしていると聞かされた。
目付きの悪い女から、怖い話を聞いて怯えて震えている俺を見て、情けないと思われているのか何でこんな奴がと呟く。
数時間経ち、目付きの悪い女から漸く名前を教えて貰えた、
小部屋から、外に出て暫く歩いていると、いきなり氷室は俺に鋭い冷たい視線を向けてくる。
俺は、怒鳴り付けられると思い凄むが、氷室は不思議に思ったのか「はあ? お前何をやってるんだ」と言うと横のドアを開けて先にその部屋に入っていた。
頭上の、教室札にはZクラスと書かれていて、異様なよんだ重い空気が外からも漏れだしていた、俺は超重力でかかっているかのように、教室そこから全く動けないでいた。
「さっさと、入れ!」
氷室は、そう言いながら俺の腕をおもいっきり掴んで、中に引きずりこんだ。
「さて! 今日から、お前らの担当刑務官になった……家守正義だ! コイツの、言うことを絶対に従うように!」
「はい!」
氷室の、一言で少女達は立ち上がり一斉に返事をする。
どうやら、氷室によって完全に教育されているようで、逆らう者一切いなかった。
氷室凛、恐ろしい女だ。
俺は、上司の氷室からやることをある程度説明されて、氷室は何処かに行ってしまった。
まあ、そこからが問題だった。
氷室が、完全に姿を消した瞬間態度が悪くなり、机に足を乗せる者や横の女同士お喋りをし始めて、授業どころじゃなかった。
「ちょっと……静かに、真面目に授業聞いてくれるかな?」
「ああん!? 何か、文句あるわけ?」
「文句って、言うか何でさっきと態度違うの……」
「あんた、何かに気を遣うわけないでしょ? あんなもん、点数稼ぎよ」
彼女達が大人しく言うことを聞いていたのは、氷室がそれを報告することによって、彼女達が困るかららしい。
俺は、先ほどの氷室に対する従順な彼女達の姿勢とうって変わって、俺にはなめたような言動と行動や、翌々見ると髪を染めたの者もちらほら居るためか、驚き彼女達が怖くなり冷や汗や震えが止まらなくなる。
「何~? コイツ、びびってやがる!! だっせぇ~!! やはははは!!」
「可哀想よ! 止めてあげなって~!!」
彼女達は、俺の困惑してる顔を見て笑いが止まらなくなったのか、一斉にかん高い笑い声が響き渡る。
俺は、初日でもう嫌になって辞めようと思ったのだが、俺には帰る場所も行く宛もない。
この日、仕事が終わり家へ帰ると泣き叫んでいたのは言うまでもなかった。
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