大好きで、大嫌いなもの

フォッツ

大好きで、大嫌いなもの

 この世界は人間や魔物が共存する平和な世界。

 だけど人間は魔物を下に見ている。 

 なぜなら、魔物は魔王が作ったからだ。

 魔王は人間を滅ぼし魔物が平和に暮らせる世界を作ろうとした。

 けど、魔王は勇者に殺された。


 結果的に、残った魔物たちは勇者の優しさで人間と共存することになった。

 魔物たちはそれに従い、今は人間たちと平和に暮らしている。


 僕はクルト。

 町に住む魔物だ。

 住み始めた頃、町のみんなは僕を睨むような目で見てきた。

 それはそうだ、魔物は人を襲う奴もいるし正直しょうがない。

 僕の見た目だって、長い耳に鋭いキバがあるから村のみんなが敵視するのは仕方がない。


 まぁ、それでも、それ以外は人間と同じ見た目なんだけどね。

 けど、最近村を襲う盗賊どもから町を守ったおかけで町の守護神って言われるようになった。

 嬉しかった、だってようやく村に馴染めたのだから。


 今は、外に出れば挨拶されるし、自分からもするようになった。

 そして今、恋人もできた。


 名前はアンジェ、白い綺麗な肌に豊満な乳を持つ金髪で青目の少女。

 この子は村の子ではなく遠くからやってきた旅人だ。

 最初に出会ったのは村の外で怪我してるところを見つけた。


 僕はこの時ドキッとしたこれは運命だと思った。

 怪我はだいぶ酷く脚に何かで切られた跡があった。

 その時、僕は何も持っていなかったから家に運び応急処置をしてベットに寝かせた。


 毒のついたナイフで切られたのか彼女の体調がだんだん悪くなっていったけど、毒薬を買ってきて飲ませると数か月もたたない内に元気なった。


 元気になってまた旅に出るのかと思ったけど、なぜかまだ家にいた。

 体力が戻ったらまた旅に出ると言っていたから、僕はこれはチャンスだと思った。


 寝静まった頃、「僕は彼女が寝るベットに向かった。


 そっと近づき口を手で押え、胸にナイフを突き立てて・・・・。

 ・・・・そのままゆっくり刺した。


 刺した瞬間、彼女はじたばたと暴れた。

 しばらくして、静かになったので口から手を離した。

 すると彼女は死ぬ直前小さい声で言った。


「これだから魔物は信用できない・・・・あなたのことは、信用してたのにな」

「信用されても困るよだって僕、人間嫌いだもん」


 涙を目から流す彼女を見て僕は笑顔でそう言った。


 そして今に至る。

 僕は彼女を綺麗に解体して、食べている―――――。

 ――――――彼女の肉を。


 とてもうまい。


 最初に見たおいしそうな白い肌。

 僕の目に狂いはなかった。

 

 あの時、あの白い肌を見た時ドキッとした。

 この胸の高鳴りは恋と同じだ。

 本で読んだことがある。

 恋というのは一人の女性に対して胸の高鳴りを感じたら始まるらしい。

 僕は初めてアンジェの綺麗な肌を見た時、ドキッとした。


 この時、僕はこれが恋かと初めて実感した。


 だから僕はこの肉を恋人と呼んでいる。

 僕が恋した人の肉。

 つまり恋人だ。


 ちなみにさっき言った通り僕は人間が嫌いだ。

 魔王様に代わって僕が人間を滅ぼすって決めた、そのために時間を使って蓄えてきたんだから。


 まず僕がこの村に来た時にしたことは、冒険者という奴らを村の外で襲い殺す。

 殺した冒険者を僕が食べて、自分の力の糧にする。

 次に村に馴染む。

 あとは、冒険者を殺し食べる。

 僕は人や生き物を食べることで力が手に入る魔物だから今までずっと蓄えてきた。


 ここで疑問が出るかもしれない。

 

 何故、彼女をその場で殺さず家に連れ込んだか。

 これはシンプルな答えで、単純に綺麗に食べたかったそれだけだ。

 僕は人間は大嫌いだけど、人間の肉は大好きだからね。

 

「よし、お腹いっぱい食ったしこれからこの村の人間でもいただきますか」

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