寒くなる前に帰る、そんな約束をしたのです。

エリー.ファー

寒くなる前に帰る、そんな約束をしたのです。

「もう少しだけ早く歩いてみようかと思うのです」

「では、どうぞ」

「今からじゃ、遅いですかね」

「やってみたいとおもったのでしょう」

「はい」

「じゃあ、やった方がいいと思いますけどね」

「でも、なぁ」

「考えすぎですよ」

「どんなものでも、諦めるべき時があるでしょう」

「あなたは、まだ挑戦もしていないではありませんか」

「あぁ。諦めることもできないのか」

「そうですよ」

「分かっていませんでした」

「諦めるというのは、挑戦をしている人だけが選べる贅沢な未来の内の一つです」


「プライドが高いのに志が低いところが、あなたの欠点ですよ」


「時間について、何か考えがあるようにお見受けします。さぁっ、一言どうぞっ」

「脳味噌を食べたい」


「時間について、何か考えがあるようにお見受けします。さぁっ、一言どうぞっ」

「大切するべきだと思いますけど、依存するべきではないですね」


「時間について、何か考えがあるようにお見受けします。さぁっ、一言どうぞっ」

「映画館を買って下さい」


「時間について、何か考えがあるようにお見受けします。さぁっ、一言どうぞっ」

「時間への依存って、何なのでしょうね」


「時間について、何か考えがあるようにお見受けします。さぁっ、一言どうぞっ」

「一言では、難しいですね。せめて、五言、いや、十八言は必要ですね」


「時間について、何か考えがあるようにお見受けします。さぁっ、一言どうぞっ」

「ミスターアンダーグランドであるべきですね」


「時間について、何か考えがあるようにお見受けします。さぁっ、一言どうぞっ」

「時間とは何なのでしょう。僕には、まだ分かりません」


「時間について、何か考えがあるようにお見受けします。さぁっ、一言どうぞっ」

「命ですよ。いや、生命かな。あぁ、どっちでもいいか」


「時間について、何か考えがあるようにお見受けします。さぁっ、一言どうぞっ」

「見ないで下さい。僕を無視して下さい」


「時間について、何か考えがあるようにお見受けします。さぁっ、一言どうぞっ」

「僕たちが時間を失えないように、時間は自らを存在させるために必ず時間以外に依存します」


「時間について、何か考えがあるようにお見受けします。さぁっ、一言どうぞっ」

「時計と時間は無関係です」


「時間について、何か考えがあるようにお見受けします。さぁっ、一言どうぞっ」

「時間は加速しませんし、減速しません」


「時間について、何か考えがあるようにお見受けします。さぁっ、一言どうぞっ」

「悩ませてください」


「時間について、何か考えがあるようにお見受けします。さぁっ、一言どうぞっ」

「星を見つめていたいのです」


「時間について、何か考えがあるようにお見受けします。さぁっ、一言どうぞっ」

「下町の殺し屋のために」


「時間について、何か考えがあるようにお見受けします。さぁっ、一言どうぞっ」

「地下ライブにいさせて下さい」


「時間について、何か考えがあるようにお見受けします。さぁっ、一言どうぞっ」

「沐浴」


「時間について、何か考えがあるようにお見受けします。さぁっ、一言どうぞっ」

「何もかも」


「時間について、何か考えがあるようにお見受けします。さぁっ、一言どうぞっ」

「僕たちが時間について悩んでいるのに、時間は僕たちのことを考えていないじゃないですか。片思いって、こういうことですよね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

寒くなる前に帰る、そんな約束をしたのです。 エリー.ファー @eri-far-

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ