O・Ｔ・Ｏ・３

本編

1件目のお悩み ～母と息子とＯ・Ｔ・Ｏ・３～

───【登場人物(♂4：♀1)】───

緒方（♂）

轟（♂）

大清水（♂）

母（♀）

高校生（♂）

───【本編】───

母

「あんた、宿題は終わったの！？」

高校生

「だりー」

母

「だりーじゃないわよ、だりーじゃ！宿題やんなさい！」

高校生

「めんどくせー」

母

「あーもう！夕食とりあげるわよ！」

高校生

「うわー。ぎゃくたいだー」

母

「虐待じゃないわよ！嫌なら宿題しなさい！」

高校生

「めんどくせー。宿題しなくたって死なないじゃーん。生きていけるじゃーん」

母

「そんなこと言って困るのはあんたなのよ！」

高校生

「俺の人生だろー。俺の好きにさせてくれよー」

母

「あーもー。知りませんからね！まったく……。どうしてウチの息子はこんな風に育ってしまったのかしら……。

　誰か、あの子に宿題をやらせることが出来るような人は居ないのかしら……」

緒方

「お困りですか、奥様よ！（奥様よ）（おくさまよ）」

母

「！？誰っ！？」

轟

「お困りならば、いざ行かん！！（いざ行かん）（いざゆかん）」

母

「どこ！？どこから聞こえてくるの！？」

（チャイム音）

母

「あ、ハーイ。誰かしらこんな時間に……どなた──」

大清水

「ピーンポーン！！！」

母

「ヒッ！！」

緒方

「言うこと聞かない高校生！」

轟

「躾をしたい高校生！！」

大清水

「ならば我らがやりましょう！！！」

緒方

「オー！」

轟

「ティー！」

大清水

「オー！」

緒方

「緒方！」

轟

「轟！」

大清水

「大清水！」

緒方

「三人組ッ！！」

轟

「略して我ら！！」

緒方・轟・大清水

「Ｏ・Ｔ・Ｏ・３（おとうさん）！！！」

母

「…は？」

緒方

「失礼ながら、上がらせていただく！」

轟

「失礼いたす！」

大清水

「失礼ッ！！」

母

「えっ、ちょっとちょっと！！」

（Ｏ・Ｔ・Ｏ・３（おとうさん）、ドカドカと廊下を歩く）

大清水

「ガラガラガラガラ！！」

（大清水、ドアをガチャリと開く）

高校生

「えっ、誰！？」

緒方

「宿題をしろ少年！」

高校生

「なんだよおっさんたち急に！！」

轟

「宿題をするがいい少年！！」

高校生

「うるせえよ！めんどくせえって言ってるだろ！」

大清水

「宿題をしようじゃないか少年！！」

高校生

「顔ちけえよ！！！じわじわこっちくんな！！」

緒方

「……ふむ。手ごわいぞ」

轟

「なあに。若気の至りじゃないか」

高校生

「頼むからもうちょっと離れてくれ」

大清水

「……」

緒方

「どうした大清水」

轟

「もしかして大清水」

大清水

「なかなかいいガタイの男ではないか」

高校生

「……は？」

緒方

「言われてみれば」

轟

「分からんでもない」

大清水

「そうだろうそうだろう」

高校生

「何がだよ！意味わかんねえよ！」

緒方

「気が変わったぞ！」

轟

「やるのか緒方！」

大清水

「応援するぞ緒方！」

高校生

「どういうことだよ！勝手に話進めんなよ！」

緒方

「少年よ！勉強なんかしなくても良い！」

轟

「そのガタイを生かし、時期Ｏ・Ｔ・Ｏ・３（おとうさん）にならないか！」

大清水

「その肉体と精神力で」

緒方

「おじさんたちと、くんずほぐれつくんずほぐれつ」

高校生

「勉強してきます！！！」

轟

「よし行ってこい！」

大清水

「それでこそ健全な高校生である！！」

（高校生、ダッシュで部屋に逃げる音）

（遠くでドアが思いっきり閉まる）

緒方

「ぬぅん」

轟

「これにてこれにて一件落着」

大清水

「我らの仕事も一件落着」

母

「えっと、あの……えっと……」

緒方

「礼には及ばぬ、奥様よ」

轟

「やるべきことをやったまで」

大清水

「おっと最後に一言を」

緒方

「少年よ！」

轟

「やる気が欲しければ！」

大清水

「我らはいつでもやってくる！！」

高校生

「もう来んな！！！！」

緒方

「それでは我らは失礼する」

轟

「お困りならばすぐに呼べ」

大清水

「失礼ッ！！」

（ドカドカと玄関から去る音）

母

「……Ｏ・Ｔ・Ｏ・３（おとうさん）……。一体何者だったのかしら……」

高校生

「……行った？」

母

「勉強の手を止めたら呼ぶわよ」

（大清水、遠くの方から）

大清水

「お困りならばァー！」

高校生

「ごめんなさい！」

母

「……。まあ、息子が素直に言うことを聞くようになったから、良しとしようかしら」

──────────

緒方

「Ｏ・Ｔ・Ｏ・３（おとうさん）！！！」

轟

「それは悩める人の前に！！」

大清水

「助けを求めるあなたのそばに！！」

緒方

「いつでもどこでも駆けつける！！」

轟

「次に我らが現れるのは！！」

大清水

「あなたのお家かもしれない！！それではこれにて！！」

緒方・轟・大清水

「失礼！！！！！」