第101話 移動疲れで

 数日間かけて移動し、旅行先から昼少し前に自宅にたどり着いた。



「帰宅! ただいまお家!」

 ルルエから降りて玄関のとびらを開ける俺。


 シュタっとルルエに騎乗してるジェラルドの背後から飛び降りるラッキー。

 ルルエに乗っていて自分は走っていない。

 中型犬じゃなくて大型犬にすれば自分で走ったのかな?



「あー、着いた着いた」


 ジェラルドはそう言いつつ、家の鍵を空けてる俺の代わりに俺のルルエも自分のと一緒に小屋に入れてくれてる。 


「ジェラルド、ルルエありがとう!」

「おー!」


 小屋の方から返事が聞こえた。



「はぁ、お洗濯だるーい」

「あ、洗濯物かぁ」


 帰りつくなり洗濯物の心配をするミレナと、つられて思い出したカナタ。


「俺もミニ洗濯機回すかぁ」


 ソーラーパワーを集めるパネルはあるけど小さいからなんか電気の無駄のような気もしなくもないが、Tシャツや下着くらいなら入るし。



「カナタ、洗濯物は洗濯所に持っていく事も出来るぞ」

「代わりに洗濯してくれる人がいるってこと?」

「そうだ」


 カナタがジェラルドの発言に驚いてる。



 この異世界にはランドリーメイドみたいなのが集まってやってる洗濯所があるんだよな。



「えっと、僕はいいよ、手洗いする」

「カナタ、ミニ洗濯機先に使うか? 下着くらいなら入るし」

「いや、大丈夫」


 何故かお父さんと一緒に洗濯されたくない娘の反応を思い出す。

 いや、俺に人間の娘はいないからよそのやつだ。



「そっか、日本に戻れたら大物はコインランドリーにぶち込むのも手だ、何回か俺もやってる、万が一大樹の通路を通れなかったら俺が預かってもいい」

「ありがとう」


「ショータ、私には言わないの?」

「え、洗濯物? 女性ものは女性の方が男に洗濯物を預けるの嫌かなって……」


 え? ミレナは平気なのか?


「ふーん」


 ふーんとは?

 それだけ言ってミレナは部屋に入っていった。



「洗濯物、ミレナはガチで俺に頼みたかったのかな?」

「とりあえず信頼されててよかったね?」

「俺は下着、いや女性の洗濯物で変な事はしません!」

「あはは、だよね~」


 カナタとそんな他愛ない話をしてから、リビングのテーブルの上にジュースと菓子パンとカップ麺を置いて、下着だけミニ洗濯機に入れて俺は休憩モードに入った。


「ちょっと今から仮眠を取るから、ミラ、誰かがカップ麺を食べたそうにしてたら手順を教えてやってくれるか? あ、カナタは分かるから大丈夫だ」

「はい、マスター」


 フェリを定位置に置いて、自室のベッドで横になった。

 まずは移動疲れをとるために。


 俺はほどなくして眠りに落ちた。

 気がつくと深夜になっていて、小腹がすいたのでリビングに行ってみた。

 ラーメンか菓子パンは減ってるかな?


「誰か何か食ったかなぁ?」


 テーブルの上を見ながら俺が独り言のように言うと、フェリの隣に座っていたミラが反応してくれた。


「ジェラルドさんが高菜ラーメンを食べてミレナさんは菓子パンを食べてましたよ」


「そっか、ありがとう、カナタは?」

「洗濯を終えたあとに寝たままのようです」

「あっ! 俺、洗濯物を干してない!」

「私が干しておきました」


 ミラ! なんて気が効く娘だ!



「あ、そうなのかありがとう! 洗濯物まわしたまま寝落ちてたよ、すまないな」

「いいえ」


 俺はミラに礼を言いつつゴマ醤油ラーメンに手をのばした。



「マスター、お湯を沸かしましょうか?」

「いや、自分でやるよ」


 水の入ったヤカンはドールのミラには重いだろうし。

 キッチンでお湯を沸かしてラーメンにチャーシューを追加して夜中にラーメンを食う。


「夜食のラーメンは美味いなぁ」



 背徳の夜のラーメン。

 今度食べる時は味噌ラーメンにしようかな。

 夜食にラーメンばっかり食ってたら体には悪いけど、たまに食いたくなるんだよな。


 俺は歯を磨いてシャワー浴びてもう一回寝ることにした。

 

 俺はシャワーを済ませてまたベッドに戻ってきた。

 さて、明日からは原稿と動画編集を……しよう。

 おやすみ。




















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