人の一生は短すぎるって話

 人は死んだら終わりだ。

 もう二度と話すことができない。

 それが辛すぎて、涙が出てきてしまう。

 正直な話、自分が死ぬのは全く怖くない。

 ただ、周りの人間が死ぬのが嫌だし、周りの人間が死んだ自分を見て悲しむ姿が辛い。


 彼等は何処へ飛び立ってしまったのか。

 彼等ともう一度だけ会わせてほしい。

 誰もが、いつの日か死を迎えてしまう。

 その後、我々の行き先は一体どこだろう?


 あぁ、クソ。

 ダメだ、無性に涙が溢れてきたわ。

 もう二度と会えないってのが辛すぎる。

 もう二度と声を聞けないってのが悲しい。


 心の何処かで私は思ってたんだろうね。

 私と出会った人が、まだ私が知らない世界で楽しく生活し続けていると。

 でも、そんな甘い世の中ではないよね。


 私たちって、普通に生活している中で、様々な人達と交流しているじゃない?

 でさ、自然とその人たちとの交流が途絶えて、離れ離れになるじゃん。もしくは、その場限りの関係だったってこともある。

 でさ、そーいう顔は知ってるけど、名前まではもう覚えていない人って沢山いると思うの。

 で、そんな人達とまた会いたいというか、いつの日かまた会えるかもーと思うじゃん。

 でも、そのいつの日かまた会えるかもと思ったときには、もう手遅れってこともある。


 私が思うに——。

 自分が知らないだけで、自分が今まで関わってきた人達はもっと沢山死んでるんじゃないかと思うんだよね。

 私が心の中で「あの人は今何してるのかな?」と妄想を膨らませているけど、実際はもう死んでるじゃないかなと。

 私の元に、彼彼女たちの死が通達されないだけで、実はもう死んでるんじゃないかと。

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