自分の文章は下手だと認める勇気

 自分の文章は下手だと認める勇気。

 上手い文章を書きたい。そう思う気持ちが膨らめば膨らむほど、文章は書けなくなる。

 文章を何度も書き直してしまうからだ。

 文章を書き直す理由は、自分で納得できなくなるのだ。自分はもっと上手い文章を書ける。自分ならもっと上手い表現ができる。

 そう思うからこそ、文章は書けなくなる。


 なので。


 自分の文章は下手だと認めよう。

 自分の文章は下手なんだと認めるのだ。


 十回文章を書くとする。

 その場合、私たちは2回上手い文章を書き、6回はまぁまぁな文章を書き、残りの2回は下手な文章を書いてしまうのである。

 で、我々は本当に愚かな人間なので、上手く書けた2回を自分の真なる力と思ってしまう。


 実際。


「毎日10時間勉強しよう!」


 と思っても。


 意思が弱い我々は継続することができない。しかし、我々は「本気でやれば」という魔法の言葉を用いて、「1週間あれば70時間勉強できる」や「1ヶ月あれば300時間勉強できる」、「1年あれば3600時間勉強できる」と本気で思ってしまうのである。


 で。

 この話で何を言いたいのかを説明すると。


 私たちが目指すべきは「上手い文章」の量を増やすことでも、質を上げることでもない。「まぁまぁな文章」の質を底上げすることと、「下手な文章」を「まぁまぁな文章」にまで引き上げることである。


 つまり。


 10回中8回は「まぁまぁな文章」が書ける。

 上手〜下手をA〜Cで評価すると——。


 「B+」を目指す努力をする。

 で、残りの2回は「A」を取る感じだ。


 上手い文章を書きたい。

 その気持ちは上達すればするほどに、ハードルが高くなる。書き手としてのレベルが格段的に上がるからだ。


 なので、「A+」を目指してはダメだ。


 私たちは「B+」を目指そう。

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