第14話 誘拐事件 その①

 「失礼します、暁さん。」


 ソラが訓練場に入る。


 「なんだ?」


 「お疲れさまです。水を持ってきました。」


 ソラが水を出す。


 「おう、そこに置いといてくれ。」


 「わかりました、……あの。」


 「なんだ?」


 「私に、修行をつけてくれませんか?」


 ソラが言う。


 「私の能力は、ワイヤーを伸ばすというだけのもので、ブラッドにいた頃から弱くて、それで色々あって。暁さんは戦場でも機獣の能力を使ってませんよね。なので、私も暁さんみたいに。」


 「悪いが、そんな時間はない。そんなんならカロンとかに見て貰えばいい。」


 暁は言う。


 「そう、ですか。わかりました。」


 ソラはその場を後にする。


 「あいつは、使えなそうだな……。」



 暁班結成から半年ほど過ぎた。暁は未だにほとんどギュスターヴの情報を得れてなかった。そんな焦りの中、事件は起こった。


 「暁さん!!」


 カロンと零が駆け寄る。


 「なんだ?」


 「大変です。ソラが敵に囚われました。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る