第3話
小夜子は立ち上がり、部屋の外へ出ていった。彼女は期待と不安を抱えながら、エレベーターで1階のロビーへ向かった。
ロビーに辿り着くと、多くの記者たちが彼女の到着を待っていた。カメラのフラッシュが光り輝き、小夜子に注がれた。
「お待たせしました!ご到着です!」と記者たちは声をあげ、彼女を出迎えた。
(こんなにたくさんの人に見られるなんて緊張する)と思いつつも彼女は
「こんにちは。よろしくお願いします」と笑顔で挨拶をした。
記者たちはメモを取りながら、彼女のコメントを待ちわびていた。小夜子は深呼吸をしながら、緊張をほぐすように手を動かしていた。
彼女は自分が今日この場にいることに興奮していたが、それと同時に不安もあった。
(こんなすごい賞を私がもらっていいのかな?)と思い、少し怖じ気づいていたが、それでも自分の実力を信じたいと思う気持ちがあった。
記者が最初の質問をした。
「今、緊張していますか?」
小夜子は答える。
「はい、緊張しています。でも、本当に私が受賞したのかどうかまだ信じられなくて……」
記者たちは興味津々で聞いている。
「小学生ですものね、記者会見なんてそりゃ緊張して当然ですよ」と記者たちは頷きながら話を聞く。
「そうですね。でも、私は本当に受賞したことが信じられなくて……」
当然、小夜子は一人で記者会見に出席している訳ではなく、隣には担当編集者と出版社の偉い人が彼女を守るように挟んで座っている。
「雪城さんはまだ小学五年生で11歳とのとことですが、 小説は何歳から書き始めたんでしょうか?
」
「小学五年生です。小説を書き始めたのはつい最近で、小学校の授業中に思いついた物語を書き始めたのがきっかけなんです」
「なるほど、創作意欲を刺激されたのですね。才能に恵まれた小学生ですね!」
記者たちは熱心にメモを取りながら話を聞く。
「ありがとうございます……でも、本当に私が受賞したのかまだ信じられないんです……」と小夜子は少し緊張しながら答えた。
(私は本当に芥川賞を取ったの?)
小夜子は心の中で自問自答した。そして彼女はまた深呼吸をしながら話を続けた。
「まずは、この受賞に心から感謝しています。これからもっと頑張って創作に励んでいきたいと思います」
小夜子は少し頰を赤らめて話した。記者たちは彼女の言葉を真摯に受け止めて質問をした。
「雪城さんにとって小説はどのような存在ですか?」と記者が尋ねる。
小夜子は少し考えてから、考えを話した。
「私にとって小説は心の支えです。私が辛い時や苦しい時に私を励ましてくれますし、私の大切な友達のようなものです」
「小説は人生の一部分として欠かせない存在になっているのですね。それでは今後の目標や夢があれば教えてください」
記者からの質問に小夜子は少し考えてから答えた。
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