悪逆の徒

南瓜の王冠

プロローグ

前世の記憶を思い出した…は良いが既に悪役として裁かれた後だった。

正直裁かれるほどの悪事をしたかと言うと言うとしていないがだからこそ処刑ではなく学園の退学処分と王国からの追放刑で済んだのだろうと思う…家の家格が高かった事も否定しないが。


まあ、今世の私はそんな処分に納得できず偶々見つけた『ダンジョンコア』を魔術で《隷属》して復讐しようとしていた見たいだが。


復讐はまあ割とどうでも良いとして、ダンジョンコアの利用は良いアイデアだと思う。


—ダンジョンコアは魔物の一種で少なくとも〈異界〉〈召喚〉〈隷属〉の3つの魔法を使える。魔法は魔物が本能的に使える力で魔術が人類が理論を持って使える力だと思って欲しい—


ただ、短絡的なのはいけない。『ゴブリン』12体で出来る事など高が知れている。

この世界にはスキルはないが『ギフト』が存在する。とは言え残念ながら私のギフトは然して強力なモノではない。


私のギフトは【司書ライブラリアン】—過去に読んだ事のある本を某『地球の記憶』が如く読める能力とあとは字を書くのが早く上手く成る能力最後に言語解読・理解くらいだ。


因みにギフトは人類以外も持ってたりする。ギフト持ち自体はそこそこいるものの強い—言い換えればチート持ちは余りいない。


そして私のギフトも微妙なモノなのだが…今回に限ってはこのギフトだった事に感謝している。


学園時代の傲慢だが腐り切る前の私は劣等感で学園の書物と言う書物を読み魔術を習得していた。【司書ライブラリアン】によって学園の書物は全て読めるし、なんなら禁書庫の全ての禁書を流し読みしていたのでそれなりに禁術も使える—ぶっちゃけ追放された一番の原因だけど。余談だが《隷属》は禁術の一つだ。


才能がなかったのは別に私の所為じゃないのに「本当に裏道家か?」とか行ってきた奴全員死ね。英雄一族の中で一人だけ凡庸で悪かったな!


…少し落ち着こう。前世の…高校生の記憶で何処までやれるか判らないがそこまで悪が欲しいと言うならなってやろうじゃないか悪役に。今世の目標は魔王で決まりだな。

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