私の隣の子は可愛い

紫吹 橙

第1話 間違えてない?

「朝霧先輩!好きです‼︎僕と付き合ってください!」

「はい⁈」

「付き合ってくれるんですか⁉︎」

「いや、そっちのはいじゃなくて…あの、自分で言うのもなんだけど、間違ってない?」


 こんな吊り目で、男子より背が高くて、可愛げのない私を好きになる人なんていないだろうし。

 どちらかといえば、女子にキャーキャー言われるタイプだし…

 私の友達と間違えてるんじゃないのかな?


「間違えてないです!僕は朝霧舞香あさぎりまいか先輩が好きなんですよ‼︎だから、僕と付き合ってください!」

「う、うーん…」


 困ったなぁ。本気みたいだし…


「じゃあ友達から始めてもらえませんか⁈」

「そ、それならまぁ…」


 私は勢いに負けて頷いた。


「本当ですか⁈ありがとうございます!では、また教室に行ったりしますね‼︎」


 彼はそう言って去って行った。

 嵐みたいな子だったな。

 でも、わざわざ校舎裏に呼び出してくれたから勇気もいっただろうし。

 その想いを無碍にはできないからね。


 それに、告白されるのって結構嬉しいものなんだって知ることもできた。

 彼には感謝しなきゃかな。


「って、名前聞いてなかったー!」


 次も来るって言ってたから、その時にちゃんと聞くことにしようかな—

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