スーパーマサオワールド 2万字以上6万字以下 11月5日までに本文が20,000字以上60,000字以下であること。なお、中編、恋愛ファンタジー 連作短編等小説の形式は不問といたします。完結
鷹山トシキ
第1話 隅田川の月下、禁断の恋
2011年3月19日
マサオは静かで風光明媚な隅田川の近くに住む一人暮らしの青年だった。ある晩、彼は隅田川で月明かりに照らされた美しい女性を見かける。
「あの女性は一体誰だろう?」
彼は女性に近づくと、彼女を守るように見える狼と、首に巻かれた三日月のペンダントが目に入った。
数日後、マサオは同じ女性と再び出会う。彼女はキジムナーと名乗り、異世界から来たと言う。
マサオは数日前に東北で起きた大震災を思い出した。東京もメチャクチャ揺れた。あの地震では多くの人が亡くなった。キジムナーはそういう人たちの生まれ変わりなのか?
キジムナーは微笑みながら、「私は月の民、キジムナーです。あなたと出会うことが運命だと感じました」と言った。
マサオはキジムナーとの交流を深めるうちに、彼女への恋心を抱くようになる。
あるマサオは彼女が異世界に帰ってしまうことを恐れていた。全てはキジムナーを付け狙っているモンスターの仕業だった。
「僕は彼女を失いたくない」
彼はキジムナーとの別れを乗り越える決意を固め、仲間たちと共に異世界への旅に出る。
異世界に着いた一行は、キジムナーを救うため奮闘する。ナースと名乗る癒しの力を持つメンバーや、脇差しを手にする剣士など、仲間たちの力を借りながら彼女を救い出す。
「僕はキジムナーを取り戻す。この恋、絶対に守り抜く!」
マサオは青空に向かって吠えた。
マサオは冒険の前日、父方の祖父、ツルキチにキジムナーについて教えてもらった。
キジムナーは、沖縄諸島周辺で伝承されてきた伝説上の生物、妖怪で、樹木(一般的にガジュマルの古木であることが多い)の精霊。精魔、セーマグ、ブナンガヤー、ブナガイ、ミチバタ、ハンダンミー、アカガンダーなどとも呼ばれる。
人から恐れられることはあまりなく、「体中が真っ赤な子ども」あるいは「赤髪の子ども」「赤い顔の子ども」「長髪で全身毛だらけ」の姿で現れると言われることが多いが、また、手は木の枝のように伸びている、一見老人のようだがよく見ると木そのものである、などともいう。土地によっては、大きくて真っ黒いもの、大きな睾丸の持ち主などともいう。
跳びはねるように歩く。男女の性別があり、大人になって結婚もすれば、子どもを生んで家族連れで現れる、あるいは人間の家に嫁ぐこともあるなどとされる。
川でカニを獲ったり特に魚の左目または両目が好物で、キジムナーと仲良くなれば魚をいつでも貰え、金持ちになれるともされる。また、グルクンの頭が好物だともいう。海に潜って漁をするのが得意であっという間に多くの魚を獲る。また、水面を駆け回ることができ、人を連れながらでも水上に立てる。
いっぽうで人間の船に同乗して共同で漁を行うと伝えられ、ほかにも作業の手伝いをして褒美にご馳走をいただく、夕食時にはかまどの火を借りに来る、年の瀬は一緒に過ごすなど、人間とは「ご近所」的な存在であるといった伝承が多い。キジムナーとともに漁をすると、たちどころに船が魚であふれるほど魚が捕れるが、前述のようにキジムナーは好物の魚の目玉を食べるので、捕れた魚は必ず片目がないという。
人間と敵対することはほとんどないが、住みかの古木を切ったり虐げたりすると、家畜を全滅させたり海で船を沈めて溺死させるなど、一たび恨みを買えば徹底的に祟られると伝えられる。赤土を赤飯に見せかけて食べさせる、木の洞など到底入り込めないような狭い場所に人間を閉じ込める、寝ている人を押さえつける、夜道で灯りを奪うなどの悪戯を働くともいう。出入りが自在でどんな小さい隙間でも出入りが可能とされる。東北地方の座敷童子に近い伝承もあり、キジムナーに気に入られた家は栄え、反対に嫌われた家は滅びるとも伝えられる。
タコ、ニワトリ、熱い鍋蓋、屁を嫌うので、キジムナーと縁を切るにはこれらのものを使うか、キジムナーの宿っている木を焼いたり、釘を打ち込んだりすると良いという。ただし、ある老人がキジムナーと仲良くなった後、しばらくしてキジムナーを気味悪く思ったのでこのような方法で追い払ったところ、その老人は3日後に死んでしまったという話もある。
火に関連しているという説もあり、旧暦8月10日にはキジムナー火が出るといって見物人が出たという。屋敷の古木に尾花を結んで木の下に立てると現れないとする。また、原因不明の怪火もキジムナーの火によるものといわれ、家の屋根からキジムナーの火が上がると死の予兆とされた。
マサオたちは洞窟の前で毛むくじゃらの大猫と遭遇した。剣士が脇差しで大猫を刺し、マサオがバトルアックスでトドメを刺した。
大猫の脅威がなくなったのでキジムナーは異世界へ帰らなくてよくなった。
「これで一緒にいられるね?」
マサオはキジムナーの髪を撫でた。
「うれしい……」
キジムナーはケイコと名前を変えた。
もうじきで高校卒業だ。マサオは大人への階段を上っていた。
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