第50話 冒険者ギルドでのテンプレ



アメリア達と別れたあと、食器を返しに行き、一旦新しく借りた寮の部屋に行くことにした。


中に入ると昨日の1人部屋よりは若干広いぐらいだった、ベッド、机、椅子と棚が置いてあった部屋の中を確認したらそのままドアを閉めて部屋をあとにした。


寮の鍵は自分で持っていることになってるので失くさないようにアイテムボックスに入れておく。


寮も出て裏にあるギルドに向かう、すぐに着いたので扉を開けて中に入った、気のせいか昨日より人が多い気がした、朝だから依頼を受ける人が多いのだろう。


依頼を探そうと依頼の貼ってある壁へと歩き出したらちょうどそこに先ほど別れた紅蓮ぐれんの野バラの面々が依頼を探していた。


「アメリアさん達も今から依頼ですか?」


「そうだよ、朝飯食べたらとりあえずは仕事探しさ」


イネット「ヴォードはどんな依頼受けるつもり?」


「昨日と同じ解体依頼があれば受けるつもり」


ミリア「ふーん。私達は大物の討伐受けるつもり」


「そうなんだ、私はまだまだ初級の討伐で腕を磨くつもりだから、解体終わったら常時依頼の討伐もするつもりなんだ。」


アメリア「依頼の受注終わったよ、行くよ。ヴォードまたね。」


「「「はーい、ヴォードまたね。」」」


そう言ってアメリア達はギルドから出ていった。

改めて依頼を見ようと思って壁に近づいたところ。


「おい!」


その声と同時に肩を掴まれた。

振り向いたらそこには背の高いごりごりの若い男が立っていた。

生前なら怖いと思ったかもしれないが、今の俺はそうは思わなかった。


「えーと、何か用かな?用が有ってもいきなり肩を掴むのどうかと思うよ。」


「何だと!なめてるのか?」


「いやいや、なめてるとかじゃなくてそちらが声をかけてきたのだから用は何と聞いてるのそして肩を掴むなとも。二度も言わせないでね。」


「ぐぬぬ、用はアメリア姐さんにちょっかいかけんじゃねぇーて言ってんだよ!」


「???えーとかけてないし、それに貴方はアメリアさん達の関係者か何か?」


「むむ、そういう訳じゃねぇが、そういうお前はなんなんだ!」


「特に何というか今日有って少しお話しして仲間にどうと誘われたぐらいかな?」


「嘘つくんじゃねぇーよ」


そう言われながら掴みかかられたので腕を取り軽く地面に投げ飛ばした。


力もこちらの方が上だし、向こうで柔道少しかじっていたから余裕だった。


「おおーーっ!」


周りから歓声があがった、「やるじゃないか」「あいつは若手でも強い方なのにな」「今の技何だ?」「見かけより強いんだな」等の声が周りの冒険者達からあがった。


そして受付から出てきていたらしいハンナさんが仁王立ちで倒れている男を見ていた。


「ボンガ、あんた何してんだい、とりあえず早く起きな。」


その言葉を聞くと慌ててその男改めボンゴが立ち上がった。


「でも、アメリア姐にちょっかいかけたり、パーティに誘われたとか言うから」


「それは違うと言ってただろ、そしてパーティに誘われたとか嘘ついても仕方ないだろ。ヴォード本当の事だろ?」


「ええ、さっき誘われてまだ早いと断りました。」


「断った!姉貴達はBランクのパーティだしアメリア姐さんに至ってはAだぞあの年で」


「そうだね、アメリア達紅蓮の野バラはこのギルドでも有名だし実力派だからね、でも断ったんだね。」


「ランクとかは聞いてないし、それに冒険者になったばかりだからまだ誰かと組むのは早いと断りました。それで向こうも納得してくれました。」


「だそうだよボンゴ、あんたの勘違いだね謝んな、それに勘違いでなくともすぐに暴力にでるんじゃないよ」


「あぁ、すまねぇあんた、いやヴォードの兄貴」

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