第13話 他の転生者ばなし 山口隆



僕は何かにつけてどんくさかった、そのためよくいじめられていた。

あの日もパシリに行かされていた、でもその途中で死んでしまったのだ。


あの日から全てが変わるはずだった。

つまらない高校生活から抜け出せて、この新しい世界でチート能力を得て素晴らしい生活が待っていると思ったのに。


あの時、神から貰った力は素晴らしいものだった。

地球の知識もあった、大成功すると思ったのに。


僕がこの世界に来て、まずしたことは、冒険者登録だった。

最初は順調だった、町近くの魔物はほとんど勝てるようになっていったし。


可愛い獣人の女奴隷も買い、2人でダンジョンにも潜ったし、小さいながらも家も買えた。

でもそこまでだった。


最近はレベルも上がりづらくなり、これ以上強くなるには危険をおかさなくては成らなくなった。

成功すれば更なる高みにたてるが失敗すれば命も手に入れた全ての物も失うことになる、それに堪えられない。


もうここまでにしようとおもう。

これ以上、上は目指さない。

生活できる程度に稼ぎ、あとは遊んで暮らすだけにしよう。


そうしよう。

それが、僕の生き方にあっているのだ。

これでも向こうにいた頃より凄くいい生活なのだから。


最近たまに聞こえてくる、僕と同じ黒髪の者達の活躍だが、僕はあの人達とは違うのだから



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る