書き手募集・丸投げ原案書
九榧むつき
【MVS】大獄柱─鬼身御供は暗がりで啼く
【粗筋・筋書・書始め他】
ゼミの先輩に誘われて、半田舎の少し離れた古民家へやってきていた。表札には『加宮 真陰』と書かれており、先輩の叔父が一人で住んでいたらしい。
詳しい経緯は知らないが、その家を先輩が継ぐ事になったそうだ。
「
気さくに笑いながら、先輩は荷物を玄関に置き、その足で外から裏へと回る。それに付いて行きながら、ただただその家の規模に圧倒されていた。
古くからの豪商らしく、豪絢な日本家屋で正に邸宅という類のものだった。敷地には立派な庭園と幾つもの大きな蔵が並んでおり、その内の一つに案内される。
「こっちだ。」
好奇心から蔵の内部を見回していれば、奥へ来るように催促された。言われるまま付いていくと、奥の壁に更に土蔵の観音扉がある。どうも別の蔵と繋がっているようだ。先輩は手にした鍵束の中から観音扉に付けられた錠前を外すと、その重苦しい扉を開いた。
「此処に入るんですか?」
「ああ。」
そう言い、先輩は真っ暗な土蔵の中へ足を踏み込む。仕方なしに後に続く。
「よく、見えないですけど…。」
「そうか?」
手持ちの懐中電灯で床を照らせば、地下へと降りる60㎝四方の穴が開いていた。底は簡単には見えそうに無い。
「本当に此処を降りるんですか?」
まるで防空壕へ潜るような梯子が続く。不安になって声をかけると、笑って先輩が答えた。
「大丈夫さ。言うほど深くは無いからな。」
梯子が終わり、また今度は急な階段を降りていく。それも降り切ると先輩は懐中電灯を置いて、小部屋に備え付けられた燭台に火を点した。同時に火は一直線に走り伸び、辺りの全てを照らし示す。
「さあ、こっちだ。」
まだ歩くのかと辟易するものの、小部屋から延びる通路はどうやら母屋の地下へと通じているようだった。途中幾つか鍵付きの格子戸が設けられていて、一つずつ解錠しながら最奥まで進む。
最後の板張りの戸を開ける。と、そこは八畳の和室だった。明かりは四方の隅に設けられ、薄暗さは然程変わらない。中央の二枚だけが板張りで、その中心に床柱に使われるような立派な桧の丸太柱が建てられている。そして、板間を囲む木格子と柱には人が括り付けられていた。
「………」
柱を背に、挟む形で手首と足首に縄を掛けられている。まるで蝦反りの様相だ。それに薄汚れた白い襦袢に浅黒い肌、痩せて骨ばった手足、真っ白な長い髪。そして。
(なんだよ、アレ…)
額に飛び出る短い角。口に竹轡を咥えさせられ、深く項垂れた首からはその表情を窺い知る事は出来ないが、部屋に響く息遣いは異様だった。
先輩は柱に向けて歩み寄ると、項垂れたその顔を持ち上げた。
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【人物・その他設定】
●
鬼を人柱にしている屋敷を継いだばかり。閉じ込められている鬼の事も知っている。
●
背が高くて痩躯、浅黒い肌、長い白髪、黒眼赤瞳、こめかみの両方に短角が付いている。
小鬼時分に悪さをし続けて捕まった。それ以来代々の当主に慰み者にされ続け、鬼身御供として地下の柱に縛り付けられている。
●
先輩の加宮蒼梧と共に屋敷にやって来た大学生。
●加宮邸宅
家の背後に竹林と雑木林があり、敷地は500坪以上はあろうかという広さ。正面側に純日本庭園、左右と裏に蔵が数戸、敷地を囲む様に酸漿が生え、裏庭に群生している。屋敷は主に平屋。大黒柱の建つ地下に例の座敷牢があり、柱は地下から屋根まで通されている。
●大獄柱
地下の座敷牢部分の名称として使われることがある。立腰のあたりに太い切残しの枝があり、陰茎を形作るように彫施されている。
かつて棟上げと共に家の繁栄を願って人柱に妾の娘を捧げ、大工方を労う儀式が行われたこともあった。
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【参考文】
───【鬼子籠め】────
子供の悪戯。一度ならば、それで済ませたかもしれない。だが、二度三度と回を追う毎に酷くなれば、そうも言っていられない。
とうとう堪忍袋の緒が切れて、罠を張った仕掛けに掛かっていたのは、子供ではなく小鬼であった。流石にこれには驚いた。だが、野放しにする訳にもいかない。暫し考慮の末、二度と悪さの出来ぬように小鬼に痛い仕置きをする事に決めた。
鹿革の巻かれた手首を縄で括りつけ、棟梁に吊し上げる。
「連れて来たぞ。」
男は二頭の豚を中へ入れ、手綱で操る。小さな活きの良い体は、豚をも蹴らん勢いで暴れていた。
「チキショウ!!この変態!!さっさと降ろしやがれ!!」
口の悪さは相変わらずピカ一だ。冷笑を浮かべて腰の手拭いを取り、中程にひとつ結び目を作る。
「小鬼と言えど、俺は容赦せぬぞ。」
顎を掴み、手拭いの結び目を喉の奥へ押し込んだ。
「うぅっ!!」
きつく後ろ頭で手拭いの端同士を結われる。猿轡を噛まされて、小鬼の眼はわなわなと震えた。
足首にもそれぞれ縄を付けられる。その端は二頭の豚に繋がれた。
「用意出来たぞ。」
横一文字に組まれた細い通路。その通路に尻を合わせて並ぶ豚の手綱を引き寄せ、まだ動かぬよう躾けている。
小鬼の足裏は豚の背に掛かっていた。二頭の尻を打つと早速左右別方向へ歩き出す。短い足ながら、その縄を引く力は強い。
「ぅうー…っ!!」
裂かれそうな激痛が小さな股を襲う。直ぐ様大粒の涙がぼろぼろ溢れた。
「痛いだろう?可哀想にな。」
目一杯開かれた脚に掌を添え、内股を嬲り煽る。身動ぎも出来ない。
「大人しく言う事を聞くならば、足は解放してやるぞ」
声を出せない所為で、頷く事しか出来ない。必死で何度も小さく首を縦に振った。
男は豚を後退りさせた。痛みに痺れた足は動かない。だらりと下がったままだ。
吊った体を少し下げ、腰を程好い位置にする。
「よし。ではこれからは我等の夜玩具となれ。」
意味も分からず、小鬼は縦に返事をする。
その様にほくそ笑み、背後に回った。乱れた裾は尻まで捲れ上がったままだ。
男は小さな尻を鷲掴み、猛た竿を愛らしい菊口へ押し当てる。
先程の裂けそうな痛みよりも、更に激しく苦痛が体を襲う。貫かれて切れた口縁より鮮血が飛び散った。
「んうぅっうんっぅっ!!」
じっとしていてはくれない。逃げ腰になっても直ぐに追撃される。男の一物は更に硬く、太さを増した。
「んうぅっ!!」
ごり、と鬼頭が内を突く。一瞬体が麻痺してしまいそうな刺激が、背筋を駆け抜けた。痛みとは違う、何とも言えない疼きに眸を蕩かせる。
初めての感覚だった。また欲しくなるのが恐い程に、身体を虜にする。
「ここ、か。」
分かっている様に、男は同じ場所を擦りあげた。途端に泣き声に艶が混ざる。淫の快感と言うものを初めて知った瞬間であった。
小鬼の小さな一物も、むくりと勃ちあがっている。だがまだ皮をかぶったままの幼い貌だった。
それ以上成長されるのは無理と、ピチリと張った包皮が悲鳴を上げている。
「ここも痛かろう?」
男の手で筆下ろしをされる。無理やり向かれた幼根は桃の様に柔らかく瑞々しい鬼実を露にした。男は荒く親指で、鈴口の割れ目を擦り穿る。
一層甲高く小鬼は泣き上げた。
ピュッと白い飛沫が指先に掛かる。濃く粘る汁は初めてながら、岩の割れ目から湧き出る清水のように滾々と噴き、小鬼は身も心も淫蕩の災禍に呑まれていった。
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