19 テーマ:家族もの

これで作ってね:家族もの

主人公の過去:意思:逆位置

主人公の現在:生命:逆位置

援助者:公式:正位置

主人公の近い未来:慈愛:正位置

敵対者:理性:正位置

結末:幸運:正位置


 主人公は枯れ果てた人間だった。仕事場で特に何を考えるでもなく手を動かし、家庭内では地位を最も低く見られ、居ることで邪険にされてしまう。そんなある日、一匹の野良猫に誘われ、暗い路地裏に入っていく。


 途端に、主人公は機械の身体になっていた。先ほどの野良猫が急に人語を話すようになり、ここは「バベルの塔」であること、主人公は家族の3人とともに塔の最上階に行かないと、元の世界に戻れないことが伝えられる。


 他の3人は、母親であることに疲れた宇宙人、息子であることに疲れたのっぺらぼう、娘であることに疲れた白蛇である。それぞれ、「家族が言うことを聞かないと思っているが、実は自分の言っていることが別の言語であった母親」「誰も分かってくれないと思っているが、実は自分の顔すらない息子」「目立たない地味な女の子と思っているが、実は大切に思われている娘」のメタファーである。


 バベルの塔を登っていくと、各フロアに家族の一人が隠したいと思っている秘密が暴かれようとする。このため、暴かれようとする人物は、自身にまつわる能力で秘密を隠そうとする。しかし、秘密自体が次のフロアへの鍵となっているため、その秘密を明らかにする必要がある。


 主人公は機械の身体を持っており、その目には他人の感情の起伏が写り、嘘がわかるようになっている。これを用いて、主人公は登場人物の秘密を明らかにしながら、それを受け入れていく。


 3人のそれぞれの秘密を暴き、最後のフロアになると、主人公は自ら、自分の秘密を明らかにする。それは、ためにたまったへそくりだった。主人公は、少しずつへそくりを貯めていて、いつでも家族から離れられるのだ、という意識を持つことで何とか耐えてきていた。しかし、バベルの塔で過ごすうちに、家族の悩みや秘密についてもっと早く向き合っていれば簡単に解決したのだという考えに至った。

 それによって、バベルの塔の最上階の扉が開き、主人公たちは元の世界に帰っていく。

 ラストの結末は、へそくりでいく海外旅行で楽し気な生活を送る主人公たち。

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