オーロラの雨

十六夜 水明

第1話

『あははははは──────』

少女は、ただ満面の笑みで1人踊っていた。


彼女の髪と瞳の艶のある白銀は周囲の様々な光を受けてクリスタルのように輝いている。

ルビー、サファイア、エメラルド。それに、シトリンにアクアマリン。

全ての光が集まって出来たダイヤモンドのような清らかな〖白い光〗がそらから降り注いでいた。

少女は透明度の高い色白の肌に、優しい輝きを持つプラチナの衣をふんわりと纏っている。

それは、まさに〖人外の美しさ〗と表現しても差し支えの無いものであった。


少女はある目的地へと向かって〖白い光〗が降り注ぐエメラルドの森を進んでいく。

ルビーの茸で跳び跳ねて、シトロンのような美しい黄色の鳥を眺める。

森の少し奥に在るアクアマリンの水源で水浴びをして、改めて見たエメラルドの森に想いを馳せる。


そうして辿り着いたのは、森の最奥。

─────ずっと昔。

古代、まだここが栄えていた頃に創られたらしい〖それ〗はそこに在った。

〖それ〗は、このエメラルドの森の中でも、もっとも大きい大樹に支えられる形で存在している。


ツリーハウス。

今日こんにちでは、そう呼ばれるそれは〖彼女ら〗が隠れ家とするこの森ただ1つの建造物であった。

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