過去編
ソードメニー
一
一。ニ。三。・・・と数えるかのように、鍛錬に励む者がいた。その者は、頭にオオワシに似た骨を身に着けていた。体には獣の皮と草木で作られた衣を身に纏い、それが風になびいていた。手にはその者の倍はある木で出来た長い槍を持ち、それを振ることをかれこれ半日は続けていた。その者に一羽のオオワシに似た獣が迫っていた。その者は気配に気づくと、先ほどまで立っていた切り立った岩崖を飛び降りた。その者は回転しながら、オオワシに似た獣に長い槍を刺した。その者が着地した後、続けてオオワシに似た獣が落下した。
ザザーン。激しく流れ落ちる水の音がする滝の麓に獲物を狙う者がいた。激しく泳ぎ回る大角を持つ魚がその者に襲い掛かった。緊張した面持ちでその者は槍を突き出した。その者にとって初めての狩りだった。その時、大角の魚はその者とは別に仕留められた。その者は急いで獲物を追った。そこには、一羽のオオワシがいた。オオワシが魚を丸のみにして、骨を吐き出した。その者は怒りに満ちた表情で、槍を投げた。オオワシは飛び立ち、槍は当たらなかった。しかし、上空から降りて来た者の槍によってオオワシは仕留められた。
走る。オオワシは左に曲がる。走る。オオワシは右に曲がる。走る。オオワシは崖を滑空する。跳ぶ。オオワシは木々の間を飛ぶ。走る。走る。走る。刺す。・・・気づくと、その者は見知らぬ森の中にいた。仕留めたオオワシに近づこうとしたとき、その者は視線を感じた。それは縄張りを守る者の視線だった。その者が下がると視線は優しくなった。その者が近づくと視線は厳しくなった。その者は考えた。そして、その者は立ち去ろうとした。しかし、やはり諦めきれなかった。その者を狙う矢の雨をオオワシで防ぎながら、その者は走った。
ガブリ。その者は、昼に仕留めたオオワシの肉に食らいついていた。あまりの美味しさに満面の笑みを浮かべた。ドシーン。その時、かすかに地響きと音が聞こえた。その者は警戒し、槍を持ち、崖の上に立った。その音の正体は、巨大な牙を持つマンモスだった。その者はマンモスの前に降り、槍を構えた。そして、その者は槍を思い切り突き刺した。しかし、マンモスはびくともせず、その者は突き飛ばされた。マンモスがオオワシの肉に差し掛かるとき、上空から大岩が落ち、マンモスは倒れた。その者は歓喜して、大岩とともに落ちてきた者にオオワシの肉を一塊差し出した。首を振り、マンモスを引きずり、去っていった。
ある雨の日。いつものように陣地を争い、戦いが行われていた。その時、地面にひびが入り、割れた。そして、地面に穴が開いた。その穴はどんどん大きくなり、戦う者たちを次々と飲み込んでいった。落ちて行った者を見た者たちは驚き、逃げた。その後、穴は大きくなるのを止めた。オオワシの骨を被った者はオオワシを追いながら穴を見つけた。オオワシととともに穴に落ちて行った。それをマグロ(あの時オオワシに仕留められた大角の魚)の骨を被った者が見ていた。その後、戦う者たちのほとんどが穴に入って行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます