第6話 なんか、出てきた
次に、ジャンプしてみる。
ぴょんっ。
うお、体が軽い!
ぴょんっ!
すごっ、1mくらいジャンプしちゃったよ。
え?え?なんで?
ダンジョロイドの性能すごい!
いや、コックピットの私はどうなっているのか……。
「……。うん、考えるのやーめた」
で、ダンジョロイドはどれだけ高く飛べるんだろう?
ぴょんぴょんと段々力を入れて飛び跳ねる。
「お、うお!」
まるでトランポリンを飛んでいるように高く飛び跳ねられ。
ゴチンッ。
「痛っ……くは、ないけど……」
頭をダンジョンの天井にぶつけた。
衝撃はある。痛くはないけど、衝撃が……!
両手で頭を抱える。
ふえー、壊れてないよね?これくらいで壊れたりしてないよね?
頭をさすさすと撫でていると、コンっと手の上に何かが落ちてきた。
手の上ではねて地面に落ちる。
拾い上げて見ると、直径五センチくらいの大きな金貨だ。
いや、待って?ダンジョロイド目線で手のひらと比べて5センチに見えるだけで、実際は猫サイズ人間の手のひら
と比較すると……って、まぁ実サイズはどうでもいいか。とにかく大きな金貨をゲットした。
天井を見上げる。
「もしかして、頭をぶつけたから出てきた?」
確か、そんなゲームがあったよね。ジャンプして叩くとコインが落ちてくるとか。
なるほど。
たくさん貯めるといいんだよね?
右手を突き上げ思いっきりジャンプ。
天井を殴りつける。
また金色のコインが落ちてきた。続けて何度かジャンプするとジャラジャラと落ちてくる。
「だ、だめだ。私の体力が持たない……」
ちょっと休憩。
落ちたコインを拾い集める。20枚ある。
サイズは同じだけど、模様が違う。あと、宝石みたいなものが真ん中に入ってるのもある。
「ふむ。赤い宝石と黄色い宝石と緑の宝石と……これ、絶対青い宝石のやつもあるよね?」
よし。もうちょっと頑張って出すぞ!
10回ジャンプして、拾って確認という作業を30回ほど繰り返す。
「出ないぞ、青いの!こんなにあるのに、どうして!」
赤が8枚、黄色が7枚、緑に至っては16枚もあるのに、青がない。
「あ、透明な宝石のが一つある」
透明と言えばダイヤモンドだろうか?だとするとこれが一番いいやつ?
5センチの金色コイン。中央に1センチほどのキラキラ光る宝石がはまっている。
「何カラットあるんだろう。ダンジョンから持ち出すと消滅しちゃうからダンジョンの中にいるときだけのお楽しみだ」
あ!
お楽しみと言えば……!
配信を見てくれている人も見たいよね?
金色コインを一つとって、マイクロドローンに近づける。
このマイクロドローンはダンジョロイドとともに開発が進んだカブトムシほどの大きさのドローンだ。魔物に壊されちゃわないの?と聞いたら「熊と遭遇しているのに、雀に気を取られる人間はいないだろ?」と言うことらしい。
猫サイズダンジョンの魔物からすれば、ダンジョロイドが熊みたいなもので、マイクロドローンは雀のような存在ってことだよね?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます