02 ご祈念したい事柄は数々あれど、まずは無事に
たどりつけるのであろうか!
そんな不安を抱えつつ、おとといの夜は布団に入りました。集合は午前8時に新大阪になっている。指定された待ち合わせ場所に無事に行けますように……地図が読めない女選手権があったら、わたしは余裕で近畿大会を突破していることでしょう。
そんなこんなしていたら、ツアー添乗員女性から電話があった。
「明日は雨の予報が出ているので傘をお持ちくださいね」
「履きやすい靴で来てください」
などと挨拶も含めての連絡だったみたい。非常にありがたかったです。
とにかく10分前に集合場所に、と決めて寝る。
ギリギリ到着だけは避けたい。発車時刻を過ぎてから到着することは、絶対に避けたい。
午前1時に目が覚める。まだまだ寝れる。ウトウトしていたら今度は午前4時に目が覚めた。
あと少しだけ寝られる。そう思っていたらタイマー音に気が付かず、午前5時26分になってる!
この時間に家を出ているはずだったのに。落ち着け自分、間に合うから! なんて言い聞かせつつ、わたわたと身支度を整えて最寄り駅まで急ぐ。大阪梅田で乗り換えて新大阪へ。ここまではよかった。集合時間まで、まだ30分もある……!
だけど。
どうにも集合する場所がわからない。新大阪の駅員さんに「ここに行きたいんですけど」と地図を見せても、説明された通りに歩いているつもりでも。なんかちょっと違うみたい……添乗員さんに電話をしよう、と決めて電話をかけてみる。
「えっ、えっ? こっち?」
迷いつつも、なんとか10分前に添乗員さん含む他の方々と合流が出来ました。運転手さん添乗員さんを除くツアー参加者は、わたしを含めて12名だった。
わたしは入口ドアから二番目の席でした。
マイクロバスの運転手さんも、すっごくいい雰囲気の男性。定刻に発車すると、窓ガラスに雨粒がパラパラと音を立てて当たってくる。
このままの雨の感じで、現地まで行ってくれたらいいなあ……と思いつつ。二回の休憩をはさみ、まずは昼食会場へとバスは走る。奈良県内に入ってから、雨足はどんどん強くなっていた。
11時半も過ぎたころだったかな、車道の前方に白いレインコートを着た男性が見える。なにか運転手さんと話している。添乗員さんも、携帯でどこかに連絡を取っていた。バス内のツアー参加者全員は静かに事態を見守っていた。
ほどなくして添乗員さんからアナウンスがあった。
「この先、倒木がありまして。バスが前に進めません」
「あと10分もあれば(昼食会場に)着く距離ではあるのですが」
わたしを含む参加者全員は、たぶん思っていたに違いない。
「あー、呼ばれていないんだー。しょうがないなー」
昼食会場までの代わりの道も無いそうで。それも仕方ない。
山々を切り拓いたとはいえ、カーブが多く狭い車道を使って現地に向かうのだもの。わたしたちが普段から過ごしている都会のインフラは十津川村に通用しない。
追加で添乗員さんからアナウンス。
いま、住民の方々が倒れた木の撤去作業をしてくださっているので……少し待ったら進めるかもしれません。
バス内に安堵のため息が、あちこちから聞こえました。
なんとか玉置神社ツアーは続行できそうです。
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