第3話
「なぁ、久しぶりだな。優」
「・・・」
返事をしない。
「元気にしてたか?」
「・・・」
返事がない。前までなら絶対に返事は返してた。ぼーっとして返事を返さない時も必ず謝るかとそのあと何をしているか聞いてくれるような弟だ。
「なぁ、優、その首の怪我とかどうした」
「・・・っ!!」
弟は反応した。顔だけ。
「もしかして、あの母親にやられたのか?」
「・・・!」
顔で分かる。言葉はなくても、時間は経っても弟の反応くらいは俺にだって分かる。
くそぉー!!クソォー!
俺が俺がいない間に、俺が離れてる間に俺の大切な弟をくそぉ。
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