その血を捧げろ

HK15

その血を捧げろ

 さて。

 どこから話し始めたらよいものか。そもそものことの起こりから語り始めてもよろしいですが、どうもあなたがたはこの老いぼれの長話に付き合うつもりはなさそうですな。いいでしょう、では手短に。

 それではお話しいたしましょう。これから私が吟じまするは、血に酔うて、血に溺れて身を滅ぼした哀れな人々の話でございます。


 いわゆる〈神の血ラ・サングレ・デ・ディオス〉については、あなたがたの方がよくご存じでしょう。それを巡ってどれほど多くの血が流されたかについても。

 ですが、その製法について、あなたがたはほとんど何もご存じないはずだ。

 ほお、噂は聞いたことがある? どのような?

 くふふ。ははは。ああ可笑しい。お笑いですな。まあしかし、真実の一端を突いてはいる。

 そうです。〈神の血ラ・サングレ〉は本当に血を原料にしていたのですよ。

 〈神の血〉を作るには、特別の血がどうしても必要でした。

 その血を調達していたのが、つまりデラクルス家だったわけです。

 まあ、そういうわけで、〈神の血〉はどうしても大量生産できなかった。特別の血がなければ作れませんからね。それが価格の高騰につながり、ひいてはカルテルの対立を引き起こして、あのような顛末に至ったわけですが。

 もう少し、みんな欲を抑えることができたらねえ。あんなことにはならなかったのにね。

 まあよろしい。

 ともかく、そういう事情でございますから、旦那様はいつも苦労なさっておりましたよ。何せ〈神の血〉はいつも供給不足でしたから。〈神の血〉はカスティーリョ・ファミリーの専売で、ファミリーはそこから多くの利益を得ており……その利権をがっちり握っていることが、他のカルテルに吸収されず独立勢力を維持できた秘訣だったわけです。それだけに供給問題は深刻でした。ファミリーからは矢の催促、けれども原料の血は簡単に用意できませんし、貯めておくわけにも参りませんでした。何せ血ですからね、放っておけば腐るんですよ。ははは。

 それで、旦那様はいつでも血の調達に頭を悩ませておりましてね。おかげで私めなどはいつもずいぶん血を絞られまして。ええ、文字通りでございますよ。はは、当然でございましょう。私めはデラクルス家のしがない下僕、ご当主の求めに応じるのは当然ではありませんか。

 え? ああ、あまり覚えておりません。しかし、そうですね、ある晩は一度に大きな瓶に二つも三つも血を抜かれて……そのときはさすがに死ぬかと思いました。いやはや、情けない話でございます。

 ええ、そうやって情けなくものびている私めを、いつも親身になって手当てして下さったのがマリアお嬢様でございました。私めのごとき下賎の身に、ずいぶんと優しくして下さいましてね。慈悲深い方でした。お母様の血が強く出なすったんでしょう。

 ええ、お嬢様のお母様のことは存じておりますよ。お顔を拝見したこともございますし、お話ししたことも。お身体が弱く、お嬢様をお産みになられてほどなく儚くなられたのは、まことに悲しいことでございました。思えば、旦那様がひたすら仕事に打ち込まれるようになったのも、祈りの甲斐もなく奥様が身罷られてからで……。

 ああ、話がそれましたね。申し訳ございません。

 ともかく、〈神の血〉の増産は絶対に必要で……さもなければデラクルス家の立場は危うい。カスティーリョ・ファミリーのお歴々は〈神の血〉のレシピの秘密をぜひとも知りたがっておりましたしねえ。

 それで、旦那様はいろいろ手段を講じたわけです。

 毎晩のように、お屋敷の地下にこもられて、あれこれと実験なさっていたものですよ。

 最初は、手に入りやすい材料でいろいろ試されておいででした。鶏やら豚やら牛やら山羊やら、いろいろな生き物の血を集めてあれこれ実験なさっていたのを覚えております。ですが、どれもうまく行きませなんだ。

 とどのつまり、鳥や獣の血はそもそも話にならなかったのですよ。旦那様は、せめて混ぜ物にでも使えないかと思っておられましたが、それもだめでした。鳥獣の血を〈神の血〉に混ぜると、たちまち効能は失われてしまうのです。ぶどう酒に泥水を一滴でも混ぜれば、全て台無しになるのと同じですね。まあ、旦那様もそれは分かっておいでだったでしょうが。

 ええ、〈神の血〉を作るには、そう、人の子の血が必要でした。

 ですから、旦那様は苦心惨憺して方々から人の血を集め、実験を繰り返しました。その結果、分かってきたことは、人の血といってもどんなものでもいいわけではない、ということでした。それなりの質が求められたのですよ。たとえばの話、そこいらをほっつき歩いている飲んだくれのろくでなしカブロンやら、誰にでも股を開くような売笑婦プータの血では駄目なのですよ。〈神の血〉の質を保つには、なるべく血が必要でした。

 ええ。それで、旦那様は苦労の末、やっと必要な血の条件を割り出されました。

 ところが、ねえ。そんな折ですよ。旦那様は病に倒れられたのです。カスティーリョお抱えの腕利きの医者が急遽呼び寄せられたのですが、何が原因なのか皆目見当もつかぬということでした。カスティーリョのご当主はずいぶん立腹なさいましてねえ、危うくその医者を始末させようとしたとか何とか。

 まあ、何にしても、もう手遅れでございました。

 でも、旦那様にはたぶん、病の理由はよくわかっておられたでしょう。

 だとね。

 それはともかく、旦那様が案じたのはお嬢様のことでした。ご自身亡き後、お嬢様とデラクルス家を守るにはどうしたらよいのかと、旦那様はずっと考えておいででした。

 それで、考えに考え抜かれた末に、旦那様は家業の全てをお嬢様に引き継がせることになさったのです。

 それがお嬢様を、デラクルスの家を守る最も冴えた方法でございました。

 〈神の血〉は、材料もそうですが、製法においても特別極まりないものでした。〈神の血〉を作れるのは、そう、この広い世界で旦那様しかおりませなんだ。それがデラクルス家の立場を守っていたのです。

 旦那様はそれをお嬢様に引き継がせることになさったのです。

 ええ、大層過酷な決断でございました。

 しかし、そうしなければ何も守れないのですよ。

 お嬢様はそれを受け入れました。ええ、聡明な方でしたから。

 それからというもの、旦那様はご自身の知る全てをお嬢様に伝授なさいました。骨身を削るようにして。

 旦那様が亡くなられる頃にはもう、お嬢様は旦那様の秘技を全て身につけておられました。間違いなく、技術者としては旦那様を上回っておりましたよ。

 ですが、お嬢様はすっかり生来の明るさを失われてしまわれた。伝授された知識と引き換えになさったようでした。そのお顔には常に憂悶の影がこびりついておいででした。

 それもやはり、血の呪いだったのでしょうかね。


 旦那様が亡くなられてしばらくして、お嬢様が地下にいる私めのもとを訪ねられたことがありました。そのとき、お嬢様は泣いておられました。私めが、いったいどうなさったのですかと尋ねますと、お嬢様はこうお答えになりました。わたしは恐ろしい罪を背負うことになってしまった、と。

 この罪からは逃れることができない。わたしがデラクルスの血を引く限りは。そう言ってお嬢様は泣きました。

 どれほど優しい言葉をかけて慰めて差し上げたかったかわかりません。

 おお、しかし、私めのごとき下賎の身に、いったいどのような慰めをかけることができたでしょうか。

 私はただ、お嬢様の嘆きを黙って聞いているよりほかございませんでした。

 ええ、それからです。お嬢様がカスティーリョ・ファミリーとかけあって、〈神の血〉を増産するための材料集めや設備投資を始めたのは。 

 屋敷の地下は拡張され、製造設備の拡充が図られました。私にはよくわかりませんが、様々の機械が運び込まれてきたのを覚えております。

 ええ、そうでしたね。あなたがたが聞きたいのはその先のことだ。

 屋敷には連日、血が運び込まれて参りました。

 それによって、ようやくデラクルス家は、カスティーリョ・ファミリーの求め通り、〈神の血〉の増産を達成することができたのです。カスティーリョのお歴々の喜びようといったらありませんでした。

 ……ええ、そうでございますね。そう、その血はどこから来たのか。

 あなたがたこそ、よくご存知なのではないですか?

 ええ、そうです。カスティーリョ・ファミリーの縄張りから、子供たちの血を集めさせていたのです。献血だか健康診断だかという名目で、ほんのはした金をその家族に掴ませてね。あなたがたはそれを掴んでいたことでしょう。ですが、その意味まではわからなかったはずだ。

 ええ、そうです。それこそが、旦那様の研究成果でした。

 旦那様はあれこれと研究を重ねた結果、〈神の血〉の材料として最もふさわしいのは子供の血であることを見出だされました。それも、できれば精通や初潮を経ていない、心身ともに純潔な子供の新鮮な血……先に申し上げましたように、〈神の血〉にふさわしいのは、なるべく穢れのない血なのですよ。旦那様は研究の末、そうした血を用いることが〈神の血〉の力をさらに高めるということまで掴んでおりました。

 ええ、ええ。そういうことです。

 お嬢様はそのことで泣いておられたのです。

 自分が子供たちの生き血を啜って生きる身に成り果てたことを悲しんでおられたのです。

 自分が悪魔ディアブロに成り果てねば生きていけないことを嘆かれていたのです。

 もしもこれが自分のことだけなら、お嬢様はあんな道を選ばれることはなかったでしょう。しかし、お嬢様はいろいろなものを背負わされていた。守るべきものがあまりにも多くありすぎました。お嬢様の命は、お嬢様だけのものではなかった。

 選ぶ余地はなかったのです。

 血の呪いですよ、まさしくね。

 まあ、何はともあれ、そうやってしばらくのあいだ、商売は順調に進んでおりました。

 このまま日々が過ぎていけばよい、とお嬢様も私めも思っておりました。

 しかし、そうは物事うまくいかないものです。忌々しい教会イグレシアの坊主どもならこう言うでしょう。天地をしろしめし、罪にまみれた地のおもてを塩と灰で磨く彼らの神の目には全てお見通しなのだと。そして、罪人にしかるべき罰を与えるのだとね。

 罰は、カスティーリョの使者という形でやって参りました。

 あの男、コスタリカで整形手術を受けてきたと散々自慢たらたらに述べていたあの男は言いました。さらなる増産が必要だと。金持ちのアメリカ人グリンゴどもがさらに〈神の血〉を求めているのだと。

 お嬢様は、無理だと仰いました。これ以上の増産には無理があると。お嬢様は、カスティーリョの縄張りの子供たちのことを気にかけておりました。ですからお嬢様には分かっておいででした。これ以上子供たちから血を絞れば、子供たちの命が危うくなる、とね。

 するとあの男はお嬢様を脅しました。ならばレシピを寄越せと迫るのです。お嬢様はそれを突っぱねるほかありませんでした。カスティーリョの連中にレシピを渡せば、どんなことになるか容易に想像がつきますからね。

 それに――〈神の血〉のレシピは、お嬢様にしか再現できませんし、それに……カスティーリョの最も堕落した残忍な連中ですら、その内容を知れば、顔色を失い、彼らの神にすがりつき泣き叫ぶであろう代物でしたから。

 とりあえず、そのときは使者が一端引き下がりました。しかし、これで終わるはずもないことは、私めのごとき卑しい下僕の身にもよくわかることでございました。

 しばらくして、カスティーリョのご当主御自らが、デラクルス家のお屋敷を訪いました。

 ええ、山羊の角クエルノ・デ・チーボ(AK自動ライフル)を携えた陰険な殺し屋シカリオたちを引き連れてね。

 お嬢様にはもうどうしようもありませんでした。

 それでもお嬢様は言いました。せめて子供たちをこれ以上苦しめないでほしい、と。

 カスティーリョのご当主は、意外にもそれをあっさりと受け入れました。

 しばらくして、これまでよりさらに多くの血が、デラクルスのお屋敷に運び込まれるようになりました。 

 その血は、そう、明らかに子供の血でした。

 お嬢様は心配になって、カスティーリョの縄張りの子供たちの情報を集めました。しかし、不思議なことに、子供たちの血は以前ほどには集められなくなっていたのです。

 では、子供の血はどこから集められていたのか。

 お嬢様は方々手を尽くして調べられました。カスティーリョの連中に知られぬよう、こっそりとね。

 その結果わかってきたのは、あまりに恐ろしい事実でございました。

 カスティーリョ・ファミリーは、主に武器の調達先として南米のあちこちの国の組織と関係を持っておりました。あなたがたの方がよくご存知なのではないですか? ブラジル、コロンビア、ホンジュラス、ベネズエラ。――ええ、そうです。カスティーリョは、それらの国から子供たちを狩り集めさせ、コンテナ船に詰め込んで運び込み、そして、組織お抱えので、その生き血を絞っていたのです。

 そうですよ。喉を裂き、心臓を抉り出して、逆さ吊りにして血を抜き出していたのです。

 死体ですか。みんな綺麗に処分されてしまったはずです。カスティーリョ・ファミリーの表の稼業のひとつ、ご存知でしょう。

 養豚場ですよ。

 ……お嬢様が、ご自身とデラクルス家についての始末について考えるようになったのは、そのときからでございます。

 ええ、お嬢様はすっかり打ちのめされてしまわれたのです。

 あまりに罪深いその身は、もはやこの世のどこにも居場所がないと、お嬢様は真剣に考えておいででした。

 ですからお嬢様は、私めに相談したのです。

 この血の呪いを、どのように断ち切ればよいのかと。

 カスティーリョ・ファミリーと手を切ればよい、というだけでないことは、お嬢様も分かっておいででした。何せ〈神の血〉を狙っている組織は多くおりましたから。ええ、あまりにも多くの血に酔った悪党が、〈神の血〉の放つ臭いに引き寄せられていたのです。

 生ぬるいやり方では、お嬢様の罪を、デラクルス家の罪を清算し、全てを幕引きできないことは明らかでした。

 左様でございます。お嬢様は、ご自身の血を捧げる覚悟でございました。

 お嬢様は、私めに協力してくれと仰いました。

 ならば、デラクルス家の下僕たるこの身、どうして当主の求めに応じないことがありましょうや。

 私めは申し上げました。お嬢様、お嬢様もよくご存知でいらっしゃいますように、〈神の血〉には人の心を操り、思うがままに狂わせる力がございます。その力をうまく使えば、何とかなるかもしれません。

 ええ、そうです。それでお嬢様は、ひそかに他の組織と連絡を取られました。シナロア、フアレス、ラ・ファミリア、ロス・セタス、テンプル騎士団、ハリスコ、MS-13。いずれも〈神の血〉に興味津々、喉から手が出るほどその利権を、〈神の血〉のレシピを欲しがっておりました。お嬢様は飢えたロボたちの前にその身を惜しげもなく投げ出したのです。

 彼らはさっそくそれに飛びつきました。

 その血のしたたる肉の奥底に、骨身を侵す毒が仕込まれているとも知らずにね。

 ええ、滑稽な見物でございましたよ。

 彼らはレシピを持ち帰り、そして自前で〈神の血〉を作ろうとしました。うまくいくはずがありません。先に申し上げましたが、この広い世界で、〈神の血〉を完璧に作ることができるのは、亡くなられた旦那様を除いては、お嬢様しかいらっしゃらなかったのですから。

 彼らはすぐにそのことに気づきました。

 そして、〈神の血〉を作るために必要な、欠かすことのできぬパズルのピース――お嬢様の身柄を巡って激しく殺しあったのでございます。

 当然、その過程でカスティーリョ・ファミリーは甚大な被害をこうむりました。多くの幹部が拉致され、悲惨な最期を遂げました。あの忌々しい整形野郎が首を切られ、生皮を剥がれてチワワのどこぞの高架道路から吊るされたと聞いたときには、正直胸のすく思いが致しました。それに、やつの生首は、自分の一物を咥えさせられていたというではありませんか! 似合いの死に様ですよ。ざまあみろ。

 おっと失礼。脱線致しました。

 まあ、そういうわけで、深刻な打撃をこうむったカスティーリョは、お嬢様を何としても死守しようと躍起になりました。お屋敷に完全武装の兵隊ゾルダートどもが送り込まれてきました。連中はお屋敷を我が物顔で闊歩しました。お嬢様は黙ってそれを受け入れられました。

 もうすぐ全て終わると分かっておいででしたから。

 ええ、そうです。そしてついにそのときがやって参りました。

 ご存知でしょう。

 近年まれに見る凄まじい襲撃だったそうですね、あれは。

 ええ、そして誰も生き残らなかった。襲ってきた殺し屋シカリオたちも、カスティーリョの兵隊ゾルダートたちも、そしてお嬢様も。


 私だけを除いて。


 ええ、分かっておりますよ。警察ポリシアのお方々。

 なぜ私だけが生き延びたのか。

 あなたがたが知りたいのはそのことでしょう。

 え? 何ですか? 他に気になることって?

 ああ、そうですか。そうですね。確かにそう、あなたがたから見れば、私は老いぼれには見えないでしょうね。まだ若者と見えても不思議でない。そうですね。

 ええ。

 ええ、そうですよ。

 奥様が亡くなられたのは50年前。

 旦那様はその20年後に。

 全て覚えています。

 昨日のことのようにね。

 ふふふ。

 おかしいですか。

 そうでしょうね。

 おや、どうなさったのですか。ピストルなんか抜きだして。

 うふふ。

 ええ、そうですよ。ご想像のとおり。

 私が彼らを殺しました。

 いともたやすかった。

 人の子など、あんなものですよ。

 たやすく引き裂ける。

 この爪と牙があればね。

 うふふ。

 ははは。

 そんなものは効きませんよ。鉛弾などはね。

 祈っても無駄です。

 そう。私は、あなたがたの思っているようなものではない。悪魔ディアブロなどではない。残念ながらね。

 もっと古いものですよ。この土地に古くから根付き、生きてきた。あなたがたの先祖が、船に乗ってヨーロッパからこの土地にやってくる、そのずっと前から我々はここにいた。アブラハムの民の信仰がこの土地に至る、ずっと前から。

 そう。デラクルスの家は、ずっと以前から我々とともにあった。デラクルスの家が、デラクルスと名乗るはるか前から。

 彼らは血を捧げ、我々はそれに応えてきた。

 〈神の血〉とは、我らの血。

 血こそ、我らの盟約の証。

 そう、マリアは、血を捧げた。心臓を捧げた。

 だから、それに応えるのが当然なのです。

 私は彼女の望みを叶えた。

 それだけだ。

 ふふふ。ふふふ。

 止めますか。止められますか。あなたがたに。

 この私を。

 分かっているでしょう。

 あなたがたには止められない。

 そう、この土地に日々注がれ続ける新たな血潮が、我らに力を与える限りは。


 そうです。それでは、これにておさらばです。

 また、いずこかで会うこともございましょう。

 この地に新たな血が注がれる限り。

 終わることのない、それがこの地メヒコのさだめでありますから。

 ではこれにて。

 老いぼれのつまらぬ話は、これにて終わりでございます。

 

 

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