不良戦国
K
第1話転校
20xx年 東京六本木
「お疲れ様です!」
黒い車から降りたらすぐこの言葉だ。5分しか乗ってねーっつうの
「おう」
俺はこれしか言えない。今日は大事な日なのだ。いつものように文句を言っている暇はない。
「何階だ」
「最上階です」
やっとここまで上り詰めることができた。嬉しいはずなのに不安だ。
俺なんかが世界を背負うことができるんだろうか
このようなことを考えながら最上階へ向かった。
「お疲れ様です!」
まただ。だが返せなかった。
30分後任命式が行われた
「只今より第3代中山殿任命式を行う。まず2代目中山殿の李様よりお話です。」
「みなさんこんにちは。2代目中山殿の李です。まずーーーーーー」
流石元戦略家の李さんだ。話がクソ長い。待機場からでも地味に聞こえる校長のような長い話は緊張していた俺を苛立たせた。20分たった。やった。やっと話が終わった。
「みな様お待たせしました。第3代中山殿の福島珠一さんです。」
どうやら呼ばれたらしい
「うしっ」
苛立ちからの開放感は半端なかった。
「君を第3代中山殿に任命します。これを。」
そう言われて代々伝わる短刀を受け取った。
「ありがとうございます。」
握手して写真を撮られて関係者とたくさん話して、、本来こういう場は苦手だったのでできる限り早く帰った。
「お疲れ様です!」
この言葉がピッタリだった。なぜ俺がこんな場に行くことになったのだろうか。ふと昔を思い出した。
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俺は中学生の頃、父が徳島県から千葉県へ異動となったのがきっかけで千葉県に引っ越して地元の中学校に転校した。
「今日からみなさんと一緒に学習する福島珠一くんです。みなさん仲良くしてね」
「よろしく」
オドオドした先生からの紹介の後、いかにも不良アピールしてる輩の隣の席になった。
「よろしく」
なまりがあった言葉に自称不良の仲間と笑っていた。放課後そいつらに屋上へ呼び出された
「なんだい」
「おめぇそのクソみたいななまりどうにかなんねェのか。転校したばっかだからって舐めてんじゃねえよ。」
「美味しそうじゃないし舐めないし舐めてないよ?」
「ああん?」
何か気に触ったのだろうか?
「ふざけてんんじゃねえよ。おめえらやっちまえ」
そういい俺の周りを6人で囲んできた。
「おりゃあ!!」
遅すぎる動きで殴りかかった。、、、胴がガラ空きだ。とりあえず殴ってきたやつに一発。すぐ気絶した。そして真後ろにいるやつに蹴りを入れた。こいつも一発で気絶した。あとはその足をそのまま右に左に振り回せば全員気絶した。
「転校初日で問題を起こしたくなかったけど正当防衛だよなうん。」
と言い残し帰った。
翌日。またあいつらに呼び出された。行くつもりなんてなかったが無視しているとそいつがそいつの兄の3年生を呼んできた。昨日と同じくそいつの兄もそいつらしく6人で俺を囲んだ。
「お前俺の弟に手ぇ出しやがって覚悟しやがれ」
先に手を出されたのは俺のほうなのだが相手が3年生だと6人相手にカウンターのみで倒すのは難しいので先手必勝でその言葉が終わった直後に全員に顔面強打をくらわせた。一人だけ残ったあいつは
「ひいいいいい!!すいませんっ!すいませんっ!なんでもするから許してください!!」
「なんでも?」
「は、はいいいいいいい!!」
「じゃあこの学校の王はこの俺だわかったか。これを他の奴らにも伝えろ。」
「わかりました!!」
かくして俺は転校2日目でこの学校の王となった。ある日三年生から
「最近福島様のように学校を支配してる奴がいるんですよ」
と言ってきた。
「だれだ?」
「中山勝男ってやつです。そいつ自分の学校以外にも近くの学校も支配しているようですよ。」
中山勝男、、そのうち会うこともあるかもしれない。俺は支配権を増やすことに興味はないから今ではないがな。
この時俺はその男と深すぎる関係を築くことは知るよしもなかった。
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