第8話  試食会

 その夜は天気は良かったが少し風が強くだ砂埃がひどいので屋内で行うことにした。

 食べ物の前に酒以外の飲み物で乾杯した。

 この世界では手に入らないコーラ、甘酒、緑茶、麦茶などだ。コーヒーは飲めるが庶民が手を出せる値段ではなかったからコーヒー1杯銀貨2枚でも小金持ちの商人などに人気だったので

 インスタントコーヒーを提供した。ステイックタイプの

 砂糖も、ミルクも入れなくて済む簡単時短の極致である。

 だから,、無糖好きには合わない。俺が自分用に買い置き

 しておいたのだ。


 これが砂糖が高価なこの世界では甘いのが大人気だった。

 転生者でも転移者でも、甘いのに飢えていたみたいだった。


 肝心のおでん、クリームシチューも、ハヤシライスも好評で

 出来ればみんな売り出して欲しいと言われた。

 まあこのキッチンで作ったのを寸胴鍋でストレージで

 保管しておけば俺的には構わない。

 太一もストレージ持ちなので俺と太一が

 、それぞれ保管しておけばどっちが休みの日でも困らない。


 それにしても聖女の加恋が良く来ることが出来たな思って

 加恋に確認した。

「大神官様の奥様も日本人の転生者だそうで、

 奥様の口添えで許可して頂けました」


「じゃあお土産に持って行ってもらわなければいけないな」


「はい、私もストレージ持ちですので運ぶのに困りません」

 それじゃあ2人分持って行ってくれ。飲み物も各種2人分

 用意するよ」

「お心使いに感謝致します」


 かたやオリーン公爵領のりんご姫のルシールさんは

 そろそろ自領に帰らなければならないとガッカリしていた。


「それでは本日送り迎えをしていただいたお礼として

 ステイックコーヒーをプレゼントしましょう」

「え、ほ、ほんとですか?嬉しいですけれど、公爵家の

 者として無料で頂くことは出来ません。100本入り1箱

 金貨10枚で買わせて頂きます

「ええ、そんな高額で宜しいでしょうか?」

「はい、今わたくしの家で飲んでいるコーヒーはこれより

 不味いのに、1杯銀貨5枚もします。砂糖とミルクを入れたら

 1杯で金貨1枚位になってしまいます」


 結局月1回100本入り1箱を金貨10枚で送るということで

 商談が成立した。


 試食会終了後、50日後ルシールさんから礼状が来た。

 あの後王族の方のおもてなしにあのコーヒーを出したら

 いたく感動されてオリーン公爵の株が上がったという。

 ついては、オリーン公爵との専売契約を結んで月5箱

 売ってはくれないだろうか?金額は上杉様の言い値でいいので他には売らないで欲しいとの事だった。

 追伸で

 オリーン領産のリンゴとリンゴジュースを送ったので

 上杉様の方で販売可能かどうか検討して頂きたいとの事だった。

 大量に販売するルートを持っていないので、 送られてきたものを味見して、近くの屋台や店に 置いてもらう事で様子見する事で了解をとった。


なんか大事に成って来た気がした。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る