ご奉仕いたします♡ エッチシーンカット版

「背中なんか流さなくていいよ」

「いいえ、流します。性奴隷のわたしが当摩君の背中を流さず、誰が流すというのです」


 エリカが当摩の性奴隷になることが決まってから、色々とそのあたりの話を決めていった。

 事件のときの黒ずくめの男たちは政治家の警護をする人間や国防軍から選抜されたプロの部隊だった。

 事件を主導した政治家は、時の総理大臣に呼び出され厳重注意となったが、この事件が表ざたになることはなかった。


 これ以降、完全に沈黙を守ったジョーカーマスターは、たぶんきっと忘れ去られ、永遠の未解決事件となりそうだ。

 未解決では済まなかったのは、突如とつじょ、同棲することが決まった二人と、妹の夏鈴かりんのことだ。

 細かく事情を聴いた夏鈴はエリカを認めたが、最近の当摩のただれた性生活に苦情を言った。

「いつも夢精しているお兄ちゃんのパンツを洗う、夏鈴の身にもなってほしいです」と怒りをにじませた。


 大変だったのは引っ越しだ。あくまで身分上超お嬢様だったエリカを浜屋兄妹のボロアパートに住まわせるわけにもいかず。あまり豪華ではなかったがもう少し広い物件に住所を移すこととなった。

 そして、冒頭のセリフは新居での最初の夜のお風呂のときのものだ。


「今夜は大事な儀式があるのです。わずかなけがれも見逃すことはできません」

 そういいながら、ボディソープを泡立てた垢すりタオルで当摩の背中を丁寧に流す。


 ちらっと後ろを振り返ると、真剣な顔をした全裸のエリカがいる。ミルクを固めたみたいな白い肌、プラチナを思わせるショートの銀髪。小さくも大きくもない丁度いい乳房。そして痛々しく当摩の目に映るのはエリカの子宮の位置に刻まれた淫紋だった。魔術で一時的に映った淫紋ではない、刺青いれずみだ。これからエリカの処女を散らし、子宮に精を放てば隷属の魔術が発動し、精を与えた人間に絶対服従の奴隷となる。


「はい、流し終わりましたよ。今度は前です」

「う、うん」

 なんだか微妙に恥ずかしい。

「このスケベ椅子というものは、機能的ですね。性器と肛門が綺麗に洗えます」

 真ん中がスコンと空いた形をしているスケベ椅子を使えば、性器と肛門を下から洗える。

「そ、そこは自分で」

「当摩君の洗い方は雑です。わたしに任せてください」

 丁寧にそこを洗われると、逸物がむくむくと起ち上ってしまう。


「こ、これ……すごい……当摩君の」

 まだ半立ちだが、十分な大きさに見える。エラの張った亀頭にエリカは思わず見惚みとれる。

「はっ……お尻の穴も洗わないと」

 そしてついに尻の穴まで綺麗に洗われてしまった。


 バスタイム終了。

「ふ~さっぱりした」


 …………

 ……

 初めてのセックスを終えると、淫紋が淡く光った。


「あっ……これって」

 当摩が呟く。

「うん、隷属の魔法。これでわたしの身も心も当摩君のもの」

「後悔してる?」


「うん、してる。お父様が自殺されてわたしが家族を失ったように、ジョーカーマスターだったわたしに殺された人にだって家族はあった」

「でも……」

「でも何?」

「やっぱり自分たちのために誰が不幸になっても、自殺をしたりしても権力に固執する財政破綻論者をわたしは許せなかった」

「そっか、エリカちゃん復讐なんて忘れなよ」

「うん、わたし思ったの。きっと神奈ちゃんなら堂々と政界に出て行って、堂々と支持を集めて、堂々と権力の座について、そして堂々と財〇省を解体するんだろうなって」

「あはは、まあ神奈ちゃんならそうするね」

(そしてきっと……堂々と当摩君を手に入れるんだ)


 突然涙がポロポロと零れてきた。気が付けば声をあげて泣いていた。当摩が優しく抱きしめてくれた。

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